セールスフォース、営業AI「Agentforce」の国内展開を本格化 商談創出や人材育成で成果狙う

2025年6月5日、セールスフォース・ジャパンは営業支援AI「Agentforce for Sales」の説明会を開催し、同サービスが営業機会の創出や人材育成に与える効果を紹介した。
国内での本格展開により、労働力不足に悩む営業現場の生産性向上を図る狙いがある。
営業支援AIで商談創出と育成を同時に実現へ
セールスフォース・ジャパンは、営業支援に特化したAIエージェントサービス「Agentforce for Sales」の活用により、営業機会の拡大と人材育成を同時に実現できると発表した。
「Agentforce for Sales」は、2024年秋に発表されたAI基盤「Agentforce」の国内展開の一環として、4月から提供が開始されている。
説明会では、実際に80万件以上の見込み客対応に活用されている事例が共有された。
実際に、サービスをいち早く導入した日本M&Aセンターの竹内直樹社長が登壇し、営業の接点数と受託率の相関を挙げ、「受託率がアップする勝ち筋が見えた」とコメント。
AIエージェントで活用したいと期待を語った。
同社は既にPoC(概念実証)を5月より進めており、6月末の成果を見極めた上で導入を本格化させる見通しである。
今後の展望、AIが営業戦略の中核に
「Agentforce for Sales」は、今後1〜2年で主要な大手企業への導入が進み、SFA(Sales Force Automation)市場の中で一つのモデルケースとして注目を集める可能性がある。
特に、定量データによる「勝ち筋」の可視化が進めば、意思決定のスピードと精度が企業全体で向上していくだろう。
一方で、中小企業や営業プロセスが非定型な業種では、導入にはハードルがあると思われる。そのため、今後の展開においては、業種別・企業規模別に最適化されたテンプレートや支援体制の整備がカギを握るだろう。
AIの営業支援は今後、CRM・マーケティングオートメーションとの連携によって、よりシームレスで統合的な顧客対応基盤へと進化していくと考えられる。営業プロセスの全体最適化が進むことで、「営業支援AI」は単なるツールではなく、戦略の中核を担う存在となるかもしれない。
データとAIによる営業支援の標準化が進むか、今後も注目したい。
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