日本通信は、JINSの商品を対象とした割賦販売などに、子会社my FinTechの認証基盤「FPoS」を活用する取り組みを進める。
厳格な本人確認の仕組みを生かし、従来の信販会社への委託とは異なるマイクロファイナンスの仕組みを検討する。
FPoSをJINSの割賦販売へ活用
2026年8月5日、日本通信は、JINSの商品における割賦販売などに、子会社my FinTechが提供する「FPoS」を活用する取り組みについて、ジンズホールディングスと基本合意した。
一般的な割賦販売では、購入者の信用審査や債権管理、未回収リスクへの対応をカード会社や信販会社へ委託するため、販売事業者には一定の費用が発生する。
今回の取り組みでは、割賦販売の仕組みを検討するうえで、購入者の本人確認や契約手続きの基盤としてFPoSを活用する。
FPoSは、マイナンバーカードを信頼の起点とし、スマートフォン内のハードウェアで保護された秘密鍵と、電子署名法の認定を受けた認証局を組み合わせるデジタル認証基盤である。
身元確認、当人認証、電子署名、データ連携の4機能を統合し、情報の発信者が本人であることと、情報が改ざんされていないことを確認できる。
同基盤は2016年の開発開始以降、金融庁のFinTech実証実験ハブでの実証や電子署名法に基づく認定取得、自治体・地域通貨への実装を経て、2026年から金融・医療分野で商用サービスを開始した。
前橋市の「めぶくPay」や大村市の「ゆでぴ」などにも採用され、地域通貨での運用実績も持つ。
日本通信とJINSは、FPoSによる厳格な本人確認の仕組みを生かし、割賦販売を含む新たなマイクロファイナンスの仕組みを検討していく。
購入手段の拡充に期待、審査と回収体制が課題
FPoSを割賦販売に活用できれば、JINSは購入者の本人性を厳格に確認しながら、従来の信販会社への委託とは異なる販売手段を検討しやすくなる。
分割払いの選択肢が実際に提供されれば、一括払いの負担を抑えたい利用者が商品を購入しやすくなることも考えられる。
また、本人確認と電子署名を一つの基盤で処理できれば、本人確認や契約締結に関する手続きの効率化、契約記録の信頼性向上につながる可能性がある。
地域通貨や金融分野で得た運用実績を小売へ展開する点は、認証基盤の用途を広げる試みとして注目できる。
一方、本人確認の厳格さだけで、購入者の支払い能力や将来の返済確実性まで判断できるわけではない。
割賦販売を事業として成立させるには、与信基準や利用上限、延滞時の対応、債権回収の仕組みを整える必要があるだろう。
加えて、新たな割賦販売の運用に当たっては、本人確認情報や取引情報を適切に管理する体制も求められそうだ。
今後は、JINSの商品販売でどのような条件を設定し、誰が信用審査と債権管理を担うかが焦点となる。
実証や限定的な導入を通じて未回収率や利用者の利便性が検証されれば、FPoSを活用した小売向けマイクロファイナンスが他業種へ応用される可能性もある。
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