2026年6月26日、日立ソリューションズ西日本は、製造業向けAI類似図面検索システム「Hi-PerBT 図面検索AI」の最新版を発表した。事前学習不要のAIエンジンやAI-OCR(※)などを新たに採用し、図面検索と比較機能の精度を向上。設計資産の再利用を促進し、製造業の業務効率化と製品品質向上を支援する。
検索から比較までAIで大幅強化
最新版では、事前学習不要の形状検索AIを搭載したことで、図面ごとの個別学習を行わずに類似図面を高精度で検索できるようになった。これにより、導入前の準備期間を従来比で約2〜3週間短縮でき、学習用データの事前提供も不要となる。
また、Microsoft AzureのAIサービスを活用したAI-OCRとの連携により、CAD特有のフォントや手書き文字の認識精度を向上。形状情報と文字情報を組み合わせて検索することで、必要な図面をより迅速かつ正確に見つけられるようになった。
さらに、AI画像認識技術によって図面の傾きや位置、縮尺の違いを自動補正し、改訂前後の差分を高精度に抽出する図面比較機能も強化。設計変更時の確認工数削減や修正漏れ防止に役立つとしている。
加えて、図面管理システム「Hi-PerBT Advanced 図面管理」と連携することで、登録済みの属性情報とAI解析結果を組み合わせた複合検索にも対応した。日立ソリューションズ西日本は7月1日から最新版を提供開始し、今後もPLMソリューションの機能拡充を進める方針だ。
設計DX加速へ期待も運用面は課題
製造業では、設計データは蓄積されていても必要な図面を見つけられず、類似設計を一から作成してしまうケースが少なくない。検索精度が向上すれば、過去の設計資産を再利用しやすくなり、開発期間の短縮や品質の均一化、技術継承の効率化につながる可能性がある。
一方で、AIによる検索結果や比較結果は、図面データの品質や管理状況によって精度に差が生じる場合がある。十分に整理されていない図面や情報が混在している場合は、期待した効果を得られないケースも考えられるため、データ整備や運用ルールの見直しが導入効果を高める要因になると考えられる。
人材不足や設計の複雑化が進む中、AIを活用した設計資産の有効活用は今後さらに重要性を増すとみられる。検索・比較の自動化が標準機能として広がれば、設計業務全体の生産性向上だけでなく、製造業のDXを支える基盤技術の一つへ発展していく可能性がある。
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