リコージャパンは生成AIサービス「RICOH デジタルバディ」のバージョンアップを発表した。日本国内の企業向けサービスとして、画像や図表も扱えるマルチモーダルRAGや汎用AI対話機能を搭載し、社内ナレッジの検索から分析・生成までを支援する。
画像や図表も検索可能なAIへ進化
リコージャパンは2026年6月23日、生成AIサービス「RICOH デジタルバディ」をバージョンアップし、26日から提供開始すると発表した。
今回のバージョンアップでは、画像や図表を含む情報を扱えるマルチモーダルRAG(※)を正式搭載したほか、汎用AI対話機能も追加された。
企業ではPDFやスキャン文書、図面、表計算資料など形式の異なる情報が社内に分散しているケースが多い。一方で、従来のテキスト中心のナレッジ管理では図表や画像内の情報を十分に検索できず、生成AI活用の制約になっていたという。
新たなRICOH デジタルバディでは、テキストに加えて文書内の図面、グラフ、表、写真をAIが読み取り、検索や回答生成に活用できる。
さらに、社内文書を横断検索する「文書活用モード」に加え、アイデア出しや文章作成などに利用できる「Chatモード」を新たに搭載した。議事録の要約や報告書の構成案作成などにも対応する。
料金体系も変更され、従来の質問回数制から利用量に応じたクレジット制へ移行する。
サービスには、リコーのAIプラットフォーム「Hi.DEEN」のドキュメント活用基盤であるナイーブRAG、マルチモーダルRAG、グラフRAGの技術が活用されている。
ユースケースとしては、営業支援部門での提案資料探索や説明文作成、製造業での点検記録読み取りと報告書案作成などが示された。
同社は今後、分析・生成機能の強化に加え、複数のAIが連携するエージェンティックRAGの実装を目指すとしている。
※マルチモーダルRAG:テキストだけでなく画像や図表など複数形式のデータを検索し、生成AIの回答に反映する検索拡張生成技術。
業務AI活用の拡大に期待と課題
今回の機能強化により、従来は検索対象として扱いにくかった図面やグラフといった情報へのアクセス性が高まるとみられる。
業務文書に含まれる情報の活用範囲が広がれば、社内に蓄積された知見を再利用する機会も増えるかもしれない。
また、検索だけでなく文書作成や要約まで一つの環境で実施できる点は利便性向上につながりそうだ。複数のツールを使い分ける手間が減れば、生成AIを業務へ取り入れるハードルが下がり、部門横断での活用拡大が進むと考えられる。
一方で、AIが扱う情報量が増えるほど、登録データの品質管理や更新体制の重要性は高まるだろう。古い資料や誤った情報が含まれている場合、回答精度に影響する可能性も否定できない。
今後は、企業が保有する膨大な文書や暗黙知をどこまでAI活用へ結び付けられるかが焦点となりそうだ。
情報収集だけでなく分析や提案まで担うAIへの需要は高まっており、より高度なエージェント型機能が実用段階へ進めば、企業内の知識活用のあり方にも変化をもたらす可能性がある。
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