2026年6月17日、米Metaは利用者の商品発見から購入までの体験を強化する新機能群を発表した。Instagramへのライブ動画広告導入やアフィリエイト機能の拡充に加え、AIによる広告配信の自動最適化も進める。SNSを起点とした購買体験の変革が加速しそうだ。
ライブ広告とアフィリエイト機能を拡充
Metaは、ユーザーの商品発見から購入までの導線を強化するため、InstagramとFacebookのショッピング関連機能を拡充すると発表した。
まず、Instagramではライブ動画広告を新たに導入する。企業やブランドはライブ配信を広告として配信できるようになり、新規顧客へのリーチ拡大を図れる。一方、Facebookではライブ動画広告の提供をグローバルに拡大し、ライブショッピングツールとの連携も強化する。視聴者はライブ配信を視聴しながら商品情報や価格を確認でき、アプリを離れることなく購入を検討できる仕組みとなる。
さらに、日本を含む22の国・地域でInstagramの商品タグがアフィリエイトリンクに対応する。クリエイターは商品を紹介する投稿やリール動画にアフィリエイトリンクを設定でき、リンク経由で購入が発生した場合にはコミッションを受け取れる。
Metaは今夏から、商品データを全てのセールスキャンペーンで活用できるようにする方針も明らかにした。広告主が商品情報とクリエイティブ素材を提供すると、MetaのAIが利用者ごとに最適な広告フォーマットを選択し、リアルタイムで広告を生成・配信する。
また、商品データは広告だけでなく、Business Agentによるレコメンドやクリエイターの商品タグ付け、Meta AIのショッピング機能などにも活用される予定であり、プラットフォーム全体での商品発見機会の拡大を目指している。
SNS購買の拡大とAI活用の可能性
今回の発表は、SNSが情報発信の場から購買プラットフォームへと発展しつつある流れを示す事例の一つと言える。利用者はコンテンツを閲覧する流れの中で商品を発見し、そのまま購入まで進めることが可能になるため、購買行動への移行がこれまで以上にスムーズになる可能性がある。
企業側にとっても一定のメリットが期待される。広告運用の自動化によって制作や配信の負担軽減につながる可能性があるほか、クリエイターとの連携を通じて新たな顧客層への訴求機会が広がることも考えられる。特にEC事業者にとっては、商品データの充実度が広告配信や商品発見の機会に影響を与える要素の一つになるとみられる。
一方で、広告配信や商品露出がAIの判断に依存する場面が増えることで、プラットフォーム側のアルゴリズム変更が企業業績に影響を及ぼす可能性も考えられる。また、広告と一般コンテンツの境界が曖昧になることで、利用者が商業的な情報を見分けにくくなる懸念も指摘されるだろう。
今後はAIによるレコメンド、クリエイター経済圏、ライブコマースの連携が進み、商品発見から決済までを単一プラットフォーム内で完結させる競争が強まる可能性がある。Metaの今回の施策は、そのような市場競争を見据えた取り組みの一つとして捉えることもできる。
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