ブルームバーグは、米AI開発企業アンソロピックが早ければ5月25日からの週にも最新の資金調達ラウンドを完了すると報じた。
現時点では評価額は確定していないが、調達額は300億ドルを超え、企業価値は9000億ドルを上回るという話が出ている。
アンソロピック、評価額9000億ドル超へ
2026年5月23日、ブルームバーグは事情に詳しい関係者の話として、対話型AI「Claude」を開発する米アンソロピックが、最新の資金調達ラウンドで300億ドルを超える資金を確保する見通しだと報じた。
関係者によれば、アンソロピックの企業価値は9000億ドルを上回る可能性があり、実現すれば、3月の資金調達で8520億ドルと評価されたOpenAIを上回ることになる。
今回のラウンドは、セコイア・キャピタル、ドラゴニア・インベストメント・グループ、アルティメーター・キャピタル、グリーンオークス・キャピタル・パートナーズが共同で主導する見通しだ。
各社は約20億ドルずつ投資する計画とされ、ゼネラル・カタリストやピーター・ティール氏のファウンダーズ・ファンドなど既存株主も追加出資を予定している。
ただし、出資契約はなお最終調整中であり、条件が変更される可能性も残る。
アンソロピックや主要投資家はコメントを控え、複数の投資会社もコメント要請に応じなかった。
アンソロピックは2021年にOpenAI出身者グループによって設立されたAI企業だ。
コーディングやサイバーセキュリティーなど企業向け業務を支援するAIツールを開発し、有力AI企業として存在感を高めてきた。
さらに同社は、コンピューティング能力の拡大に向けて、スペースXと約450億ドル、アカマイ・テクノロジーズと18億ドル規模のクラウド契約を結んでいる。
グーグルやアマゾンも過去に出資しており、AIモデル開発と計算資源の確保が一体で進む構図が鮮明になっている。
評価額競争がAI市場を再編する
今回の資金調達が完了すれば、アンソロピックは単にOpenAIを評価額で上回るだけでなく、生成AI市場における投資家の期待が同社へ大きく傾いていることを示す象徴的な出来事となる。
これは単なる企業価値の比較にとどまらず、投資家が生成AI市場の成長余地を引き続き大きく見ていることを示す材料になり得る。
特に、Claudeを軸に企業向けAIツールを展開する同社にとって、大型資金は研究開発、計算資源、人材獲得を加速させる原資となるだろう。
一方で、評価額の急拡大はリスクも考えられる。9000億ドル超という水準は、将来の売上成長や収益化への期待を強く織り込んだ数字である。
AIモデルの開発競争では、性能向上と引き換えに計算資源への依存が高まりやすく、巨額のクラウド契約や半導体調達が将来的な収益性を圧迫するリスクは無視できない。
投資家の期待に見合う事業成長を示せなければ、上場時や次回調達時に評価の見直しが起きる可能性もあるだろう。
今後は、モデル性能だけでなく、企業向け導入、セキュリティー、クラウド基盤、資本政策を含めた総合力が競争軸になりそうだ。
アンソロピックの大型調達は、AI開発競争が研究段階から産業インフラの主導権争いへ移っていることを示す動きだと言える。
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