SBI VCトレードとアプラスは、米ドル建てステーブルコインUSDCを用いた店舗決済の実証実験を発表した。
国内外ユーザーを対象に、大阪市内の飲食店と家電量販店で実施される。
USDC店舗決済 大阪で実証開始
SBIホールディングス傘下のSBI VCトレードとアプラスは、2026年5月25日から29日までの5日間、大阪市内で米ドル建てステーブルコイン(※)USDCを活用した店舗決済の実証実験を実施すると、同年4月30日に発表した。
対象は「名代 宇奈とと」本町店と「ビックカメラ」なんば店の一部区画で、飲食および家電購入においてUSDC決済が可能となる。
本取り組みは「国際金融都市OSAKA」構想の一環として位置付けられており、インバウンド需要も視野に入れた実証となる。
利用者は店舗のQRコードを読み取り、メタマスクなどのプライベートウォレットからUSDCを支払う仕組みである。
決済後は、SBI VCトレードがUSDCを日本円へ即時交換し、アプラスを通じて店舗へ入金するフローが採用されている。
今回の実証に際し両社は、QRコードを用いたUSDCの店舗決済の認知を広げると同時に、実用化に向けた知見獲得を目指すとしている。
※ステーブルコイン:米ドルなどの法定通貨に価値を連動させ、価格変動を抑えた暗号資産。主に決済や送金での利用が想定される。
普及の可能性と課題 実用化の分岐点
本実証における最大の意義は、ステーブルコインを日常決済に接続するための具体的なユースケースを提示した点だろう。
特にUSDCはグローバルで流通しているため、訪日外国人にとっては為替や決済手段の制約を受けにくく、利便性向上に寄与する可能性がある。
また、QRコードで決済を行う構造にしている点は、日本のキャッシュレス環境との統合余地が大きいと言える。
一方で、課題も発生し得る。
ユーザーにはウォレット管理や暗号資産の取り扱いに関する知識が求められそうであるため、一般層への普及にはハードルが残るだろう。
さらに、事業者側はUSDCを即時円転する構造を採用しており、価格変動リスクは抑制されるものの、暗号資産本来の価値保存・流通機能は限定的となりそうだ。
加えて、日本の規制環境も重要な制約条件となるはずだ。
ステーブルコインは発行体や流通形態に関する法的枠組みは整備途上であるため、商用化に向けては制度との整合性が不可欠だと言える。
それでも、実店舗での検証が進むことで、ステーブルコインが「投資対象」から「決済インフラ」へと役割を拡張する可能性は高まるだろう。
今回の実証は、国内におけるデジタル通貨決済の普及に向けた転換点となるかもしれない。
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