株式会社ANWは東京・銀座の直営店「envie GINZA」にて、ブロックチェーンを活用したCRM(顧客関係管理)アプリ「PONPISH PASSPORT」を導入した。
訪日外国人を中心とした顧客接点をNFTで管理し、来店後の継続的な関係構築を実現する。
訪日客向けNFT CRMを銀座で導入
ANWが展開するカラーコンタクトブランド「envie」は、直営店「envie GINZA」において、Solanaブロックチェーンを基盤としたCRMアプリ「PONPISH PASSPORT」を導入したことを2026年4月27日に発表した。
同店舗では売上の6割以上が免税対象となるなど、訪日外国人の需要が拡大しているという。
一方で、国や地域によって利用可能なSNSが異なることから、来店後のコミュニケーションやCRM施策の継続に課題があった。
これを受け同社は、国やプラットフォームをまたいで顧客接点を一貫管理できる仕組みとして、ブロックチェーン基盤を活用したアプリを導入した。
アプリは日本語・英語・中国語・韓国語の4言語に対応しており、ユーザーは購入履歴や装用体験履歴、クーポンなどをNFT(※)として管理でき、誕生日特典や限定キャンペーンなどがダイレクトに配信される。
同社は「PONPISH PASSPORT」を単なるCRMアプリに留めず、顧客接点の可視化、継続率の向上、ブランドロイヤルティの醸成を図り、企業価値の向上につなげるとしている。
※NFT:ブロックチェーン上で発行される唯一無二のデジタル資産。改ざんが困難で所有権の証明が可能なため、デジタル特典や履歴管理などに活用される。
顧客データの資産化がもたらす利点と課題
今回の取り組みでは、顧客データを「一過性の情報」から「蓄積される資産」へと転換する点に意義がありそうだ。
企業側がNFTとして履歴や特典を管理し、顧客の体験を横断的に把握できることで、継続率やLTV(顧客生涯価値)の向上が期待できる。
特にインバウンド領域では、国境やプラットフォーム制約を越えた一貫管理が可能になる点が大きな優位性となるだろう。
一方で、ユーザーにとってはNFTやウォレットの概念理解が障壁となる可能性がある。
利便性が十分に担保されなければ、従来型アプリに比べて利用ハードルが高まるリスクも否定できない。
また、各国のデータ規制やWeb3関連の法整備の進展によっては、運用の柔軟性が制約される可能性もある。
それでも、改ざん耐性や特典の唯一性といったブロックチェーンの特性は、ブランドロイヤルティの強化に直結する要素となり得る。
今後は小売や観光領域を中心に同様のCRMモデルが広がり、顧客関係の設計は「保有される体験」を軸に再構築されるかもしれない。
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