ネットスターズは、Web2とWeb3を接続するゲートウェイ構想「StarPay-X」を発表した。QR決済基盤を起点に、ステーブルコインを含む次世代金融の社会実装を目指す国内発の取り組みである。
Web2決済からWeb3接続へ転換
2026年4月8日、ネットスターズは、QRコード決済を中心に築いてきた既存インフラを基盤に、Web3金融と接続するゲートウェイ「StarPay-X」構想を発表した。
単なる技術連携ではなく、実店舗やサービスの中でWeb3を自然に利用できる環境の構築を志向している点が特徴である。
背景には、ステーブルコインや分散型金融(DeFi※)などの新たな金融インフラが拡大する一方、それらが既存の決済・消費の現場と十分に接続されていない現状がある。
Web3は依然としてエコシステム内部に閉じており、日常利用への橋渡しが課題となっている。
同社はすでに2026年初頭、羽田空港第3ターミナルの一部店舗において、米ドル連動型ステーブルコインUSDCによる決済実証を実施している。
この取り組みを通じて、実運用における利便性や運用面の知見を獲得したという。
今後はマルチチェーン・マルチウォレット・マルチコイン対応を視野に、複数のWeb3プレイヤーとの連携を進める方針である。
※DeFi:ブロックチェーン上で提供される分散型金融サービスの総称。銀行などの仲介を介さず、貸付や取引を自動化する仕組みを指す。
普及の鍵は利便性と標準化か
「StarPay-X」の最大の意義は、Web2とWeb3の断絶を埋める点だろう。
既存の決済インフラと接続されることで、ユーザーは特別な知識を持たずともステーブルコインを利用できる可能性が高まり、越境決済の効率化や手数料低減といったメリットが期待できる。
一方で、マルチチェーン対応はシステムの複雑性を高め、セキュリティや運用コストの増大といったリスクを伴う。
さらに、各種ウォレットやブロックチェーンとの連携は標準化が進んでおらず、相互運用性の確保が普及のボトルネックとなる可能性がある。
加えて、日本市場における規制との整合性や利用者保護が必要になると考えられるため、実証から商用化への移行には段階的な対応が求められそうだ。
それでも、既存の決済事業者が主導してWeb3の社会実装を進める動きは、技術先行から実用志向への転換を示すものと言える。
「StarPay-X」が日常生活にどこまで浸透するか、引き続き注目したい。
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