2026年4月7日、日本のGMOインターネットグループは東京・渋谷に人型ロボット開発拠点「GMOヒューマノイド・ラボ」を開設した。国内最大級の施設として、研究開発と事業創出を一体化し、フィジカルAI分野での競争力強化を狙う。
国内最大級の人型ロボ拠点を開設
GMOインターネットグループは、渋谷・セルリアンタワー11階に延床約1300平方メートルの「GMOヒューマノイド・ラボ 渋谷ショールーム」を開設した。ヒューマノイド専用の研究開発拠点としては、日本最大級の規模とされ、2026年10月には全面開業を予定している。
同拠点は、AIとロボットを融合するフィジカルAI(※)領域に特化し、研究開発・事業創出・人材集結の中核として位置付けられる。グループ内の研究部門に加え、GMO AI&ロボティクス商事が市場ニーズの収集や導入支援を担い、GMO Various Roboticsが開発・実証を担当することで、技術とビジネスを一体で推進する体制を構築した。
背景には、AIがソフトウェア領域から現実世界へ拡張する潮流がある。ヒューマノイド分野では米国や中国を中心に開発競争が激化しており、日本企業にも研究開発と社会実装の加速が求められている。GMOは2026年を「ヒューマノイド元年」と位置付け、本拠点を象徴的な起点とする戦略を打ち出した。
※フィジカルAI:AIがロボットなどの物理的な機械に組み込まれ、現実世界で動作・判断を行う技術領域。ソフトウェア上の処理にとどまらず、実空間での作業や意思決定を担う点が特徴。
実装加速の利点と競争・社会課題
本拠点の意義の一つは、研究開発と事業化を同一空間で進めることによる実装スピードの向上にあると考えられる。ユースケースの検証から導入までの時間短縮が期待され、特に人手不足が深刻な物流や建設、サービス業においては、生産性向上に寄与する可能性がある。
一方で、ヒューマノイド開発は巨額の投資と高度な人材を必要とする領域であり、米中勢との競争は依然として厳しい状況にあるとみられる。ハードウェアとAIを統合する難易度も高く、継続的な資金投入やエコシステム形成が進まなければ、国際競争で後れを取る可能性も否定できない。
さらに、社会実装が進むにつれて、安全性や規制、雇用への影響といった課題が顕在化する可能性がある。人間の労働を代替する範囲が広がるほど、制度設計や社会受容を巡る議論の重要性は一層高まると考えられる。
それでも、フィジカルAIは次世代の産業基盤の一つとして位置付けられつつある分野である。今回の拠点が国内外の企業や研究者を引き寄せるハブとなれば、日本発の産業創出につながる可能性がある。
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