『GTA6』開発元ロックスターの親会社テイクツー・インタラクティブ(以下、テイクツー)が、社内AIチームを解雇したと報じられた。CEOは従来から生成AIに否定的であったという。
テイクツー、AIチーム解体の全容
今回の動きは、AIチーム責任者Luke Dicken氏のLinkedIn投稿によって明らかになった。同氏は2026年4月3日、自身とチームの在籍終了を公表した。
同年4月4日には、テイクツーが責任者を含む社内のAIチームを解雇したことを海外メディアEurogamerが報じている。
背景には、CEOストラウス・ゼルニック氏のスタンスがある。
同氏はこれまで「AIはツール」としながらも、「創造性は人間にしか宿らない」と明言してきた。
特に『GTA6』については、すべてをゼロから手作業で構築していると強調し、生成AIに対して否定的な見解を繰り返していた。
Luke Dicken氏は投稿で、「本当に残念なことに、私と私のチームのT2での時間が終わりを迎えたことをお伝えしなければなりません。」「今は、特に現在の状況下で、これらの素晴らしい才能ある人たちの新しい職を見つけるのにご協力いただければ幸いです。」と胸中を語った。
今回の動きに対しては、ユーザーコミュニティでも議論が広がっている。
海外掲示板Redditでは、「AIは『GTA 6』のようなゲームを生み出す創造性など持ち合わせていない」といった声が確認されている。
非AI戦略の利点とリスク、今後の焦点は
今回の決定により、作品の一貫した品質と独自性を維持できる可能性がある。
人間のクリエイターによる設計に限定することで、細部まで統制された体験設計が可能となり、ブランド価値の強化につながると考えられる。
一方で、デメリットも発生し得る。
生成AIは開発効率の向上やコスト削減に寄与する技術であり、それを排除することで制作期間の長期化や人件費の増大を招くリスクがある。
特にオープンワールド作品で膨大なリソースが必要となるゲーム開発においては、競合がAIを活用した場合、開発スピードで劣後する可能性は否定できない。
今後の焦点は、この“非AI戦略”が競争優位として機能するかどうかにありそうだ。
『GTA6』が圧倒的な完成度を示せば、人間主導の価値が再評価される契機となるだろう。
一方で、AI活用が業界標準となった場合、テイクツーの判断は機会損失として批判される展開も想定できる。
技術と創造性の最適なバランスを巡る議論は、今後さらに加速していくと考えられる。
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