LINEヤフーは新たな事業拠点として、赤坂トラストタワー内に「赤坂オフィス」を開設した。2026年5月に全面稼働予定で、週3回出社を基本とするハイブリッドワークへ段階移行し、部門横断の共創強化を狙う。
赤坂新拠点と週3出社で共創強化へ
2026年4月1日、LINEヤフーは、港区赤坂の赤坂トラストタワー内に「赤坂オフィス」を開設したと発表した。全フロアのオープンと来客受け入れは同年5月11日を予定しており、本社機能は引き続き紀尾井町に置かれる。
設計にあたっては、全社横断の分科会を設置し、ワークショップを通じてコンセプトを策定した。「Talk(親しみ・共創)」「Boost(革新性・創造)」「Easy(わかりやすさ・快適性)」を軸に、「Stay Closer, Go Further」という思想が空間全体に反映されている。
オフィス内には、社員同士の偶発的な交流を促す「CONNECT STREET」、迅速な意思決定を支える「CONNECT HUB」、大規模イベント対応の「FIELD 20」などが配置された。
さらに集中作業向けの「STUDY ROOM」やリフレッシュ用途の「POOL LOUNGE」も備え、多様な働き方に対応する。
加えて、昇降デスクやデュアルモニター、安定した通信環境などを整備し、生産性向上を支えるインフラも強化されている。
ブランド面では、ロゴに由来する「62度」をサインや空間の細部に反映させ、企業文化の体現も図っている。
これらの取り組みと並行し、同社は原則週3回出社へ段階的に移行し、リモートと対面を組み合わせたハイブリッドワークを推進する方針である。
出社回帰の利点と課題、今後の行方
今回の施策は、対面コミュニケーションの質を高める点で一定の効果が見込まれる。
偶発的な会話や即時の意思決定は、オンライン環境では再現しにくい要素であり、オフィス回帰によって創造性やスピードが向上する可能性がある。
特に大規模組織では、物理的な接点が意思決定の速度に影響する側面もあるだろう。
一方で、オフィス投資が必ずしも生産性向上に直結するとは限らず、制度設計やマネジメントとの組み合わせが重要になると考えられる。
単なる出社回帰にとどまらず、共創を促す仕組みとして機能するかが問われる局面といえる。
また、週3出社への移行は、リモート中心の働き方に慣れた人材にとって通勤負担や時間的制約の再発につながる恐れがある。企業側がどこまで個別事情に配慮できるかが、制度定着の鍵になりそうだ。
今後は、他の大手IT企業にも同様の動きが広がるかが焦点となるだろう。
ハイブリッドワークの最適解は依然模索段階にあるため、各社の試行が指標となる可能性がある。LINEヤフーの取り組みも、一つのモデルケースとなるかもしれない。
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