2026年4月1日、ガイアックスは、出資先のPlanet Labsによる「PlanetDAO」が「Japan Tourism NFT Awards 2025」でグランプリを受賞したと発表した。
世界23ヶ国・289名が1億円超を拠出し、日本の歴史的建造物を共同所有する新たな仕組みとして評価された。
DAOで文化財を共同所有する新モデル
今回受賞した「PlanetDAO」は、歴史的建造物を対象に、株式会社型DAO(※)の仕組みを活用して国内外の支援者と共同所有するプロジェクトである。
地域住民を含む多様な関係者が関与しながら、文化財の保全と活用を両立する点が特徴となる。
評価されたポイントの一つが「共創型ガバナンス」だ。
出資の有無に関わらず、地域住民に議決権付きの種類株を付与する設計により、地域主体の意思決定が可能となる仕組みを実現している。
具体的な取り組みとして、和歌山県那智勝浦町では築約170年の無住職寺院を宿泊施設として再生するプロジェクトが進行中である。
出資者の約8割が海外から参加しており、グローバルな資金流入が確認されている。
また、新潟県佐渡市では登録有形文化財「北條家住宅」を活用した再生プロジェクトが始動している。
江戸時代から続く漢方医の邸宅を宿泊・体験拠点へ転換する計画であり、文化資産の持続的活用モデルとして位置付けられる。
2026年5月21日(木)・22日(金)の2日間には新潟県佐渡市において共同オーナーが集まるイベントの開催が予定されており、実際の運営や参加者の動向が可視化される機会となる。
※DAO:分散型自律組織。ブロックチェーン上で運営され、特定の管理者を持たず、参加者の投票などによって意思決定が行われる組織形態。
資金調達と地域主導の両立進むか
PlanetDAOの仕組みは、従来の文化財保全における資金不足という課題に対し、有効な解決策となる可能性がある。
海外投資家を含む広範な資金を呼び込むことで、従来は維持が困難だった建造物の再生が現実的な選択肢となりつつある。
同時に、地域住民が意思決定に関与する設計は、観光開発に伴う外部主導のリスクを抑制する点でも意義がありそうだ。
地域の価値観や文化的背景を反映した運営が行われやすくなることで、持続可能な観光モデルへの転換が進むと考えられる。
一方で、DAOという新しいガバナンス形態には制度面の課題も残る。出資者と地域住民の意思が対立した場合の調整プロセスや、法的整理の明確化は今後の論点となるだろう。
また、NFTやトークンを活用した権利設計が一般層にどこまで浸透するかも普及の鍵を握りそうだ。
今後は、こうした取り組みの蓄積により、DAOによる文化財保全の実効性や運用上の課題が具体的に可視化され、他地域への展開可能性を見極める判断材料が整っていくと考えられる。
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