三井物産セキュアディレクション(MBSD)は、生成AIを活用したDSPM導入支援サービスを発表した。Ohaloの「Data X-Ray」とマクニカの支援を組み合わせ、企業内の非構造化データの棚卸・可視化・分類を包括的に実現する。
生成AIでデータ棚卸から分類まで統合
MBSDは2026年4月1日より、企業内に分散するデータの棚卸・可視化・分類を一体的に支援するDSPM(※)導入サービスの提供を開始すると、同年3月26日に発表した。
本サービスの中核には、英国Ohaloの「Data X-Ray」が採用されている。これにより、オンプレミスからクラウドまで横断的にデータをスキャンし、機密情報を自動的に抽出・分類する仕組みを構築する。
さらに、分類結果はMicrosoft Purviewと連携され、機密データに対するラベル付与から監視・インシデント対応までをスムーズにつなぐ設計となっている。
「Data X-Ray」の導入設計および技術支援はマクニカが担う。
MBSDのコンサルティングと組み合わせることで、Microsoft Purviewとの連携設計・設定まで、一気通貫の導入・運用を支援する。
本サービスの背景には、DXやクラウドシフトの進展により、企業データの大半を占める非構造化データの管理が困難化している現状がある。
従来のルールベース検出では限界があったが、本サービスでは生成AIによる文脈解析やOCR活用を加えることで、これまで識別が難しかった情報の高精度な分類を可能にする。
※DSPM:Data Security Posture Managementの略。企業内外に分散するデータの所在や機密性を可視化し、リスクを継続的に評価・管理するセキュリティ手法。
DSPM普及の起点に 効果と運用課題
本サービス最大のメリットは、データの所在と機密性を可視化し、セキュリティ対策を「データ起点」で再設計できる点だろう。
特に生成AIの業務活用が進む中、参照データの安全性担保は重要性を増していると考えられるため、分類とラベリングの自動化は実務上の大きな前進となりそうだ。
一方で、デメリットも無視できない。分類ルールや社内規程の設計が不十分な場合、誤分類や過剰検知が発生し、かえって運用負荷を高める可能性がある。
加えて、生成AIによる判定は完全ではないため、継続的なチューニングと人的レビューを前提とした運用設計が不可欠となるだろう。
今回のような一気通貫型の支援モデルは、これまで導入ハードルの高さから様子見だった企業層の参入を促す契機となりそうだ。
データガバナンスの標準は「境界防御」から「データ中心」へと移行していくかもしれない。
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