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オムロンFE、AIで点検判断を自動化 属人業務を標準化し現場DXを加速

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2026年3月26日、オムロンフィールドエンジニアリングは松尾研究所と共同で、点検写真をAIが自動判定するシステムを開発したと発表した。実運用で精度89%を達成し、属人性の高い保守業務の標準化に踏み出した。

AIが点検判断を代替 精度89%で本格導入

オムロンフィールドエンジニアリングは、現場で撮影された点検写真をもとに設定値の正誤を自動判定するAIモデルを開発した。松尾研究所の生成AI・画像認識技術と、自社の保守業務で培ったノウハウを融合し、従来は人手に依存していた確認工程のシステム化を実現した。

対象となるのは、機器の設定値など大量の文字情報を照合する作業である。こうした業務は熟練者の経験に依存する傾向が強く、品質のばらつきや人材不足が課題となっていた。今回の取り組みは、この属人性の高い領域にAIを適用した点に特徴がある。

約4カ月間の実運用では、8332件の判定に対し精度89%、システムエラー率0.2%を記録した。これらの結果から実業務に耐えうる水準を確認し、2025年10月より効果の高い点検業務から段階的な導入を開始している。

技術面では、OCR(※)による文字抽出とLLM(※)による意味理解を組み合わせ、単なる画像認識を超えた判断を可能にした。さらにChain-of-Thought(※)により推論過程を可視化し、現場担当者が結果の妥当性を確認できる仕組みも備えている。

省人化と品質向上の両立 依存リスクと進化の鍵

今回の取り組みは、保守業務における省人化と品質向上を同時に実現するモデルとして広がる可能性がある。特に労働人口の減少が進む中、社会インフラ領域では人手依存からの脱却が求められており、AIによる標準化は持続可能な運用体制の構築に寄与する可能性がある。

また、判断過程を可視化する設計により、AIのブラックボックス化を抑制する効果も期待される。現場が結果を検証しながら活用できるため、完全自動化ではなく「人とAIの協働」を前提とした実践的なDXモデルと捉えることもできる。

一方で、精度89%という数値は実用域に達しているものの、誤判定リスクが残る点には留意が必要と考えられる。重要インフラにおいては最終判断を人が担う体制が引き続き求められる可能性があり、過度なAI依存は新たなリスクにつながる可能性もある。

今後は適用範囲の拡大とともに、データ品質の向上や継続的な学習による精度改善が競争力に影響を与えるとみられる。属人性の排除と柔軟な現場対応をいかに両立するかが、次世代の保守運用モデル確立に向けた重要な論点となりそうだ。

オムロン ニュースリリース

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