メルカリが国内の通信契約者を対象とした調査結果を発表した。物価高を背景に通信費の見直しが進む一方、データ容量の未活用が常態化している実態が明らかになった。
毎月7.4GBが未活用、通信費見直しの実態
メルカリが2026年3月26日に公表した調査によれば、生活者の97.5%が物価高を実感しており、約4割が固定費の見直しを実施している。
中でもスマートフォンの通信費は、水道・光熱費と並ぶ主要な削減対象となっている。
具体的な見直し手段としては「データ容量の削減」や「格安プランへの乗り換え」が中心であり、余剰データの繰り越しや売買といった活用は限定的である。
スマートフォン料金の見直しを行った人のうち、余ったギガの繰り越しや売却まで実践している人は10.1%にとどまった。
契約容量の約23%は未使用のままであり、1人あたり毎月平均7.4GBが廃棄されている。
これはユーザー間の平均取引価格で換算すると月約616円、年間では約7,400円相当の損失にあたる。
また、余った「ギガ」を特に意識せず放置している層は約4割にのぼり、「ギガ資産(※)」として認識している人は13.5%に過ぎない。
一方で、不足時には1GBあたり平均583円で追加購入されているという。
これは「メルカリモバイル」の平均取引価格である「1GBあたり約80円」の約7倍に達する額であり、非効率な利用実態が浮き彫りとなった。
余剰「ギガ」を「売却できるなら売りたい」とする回答は64.9%に達しており、潜在的な市場ニーズが大きいことも判明した。
実際に「メルカリモバイル」では、利用者の約3人に1人が「ギガ」の取引を経験しており、一定の取引実績が確認されている。
さらに、購入されたデータ容量は平均約20時間で成約しているという。
※ギガ資産:スマートフォンの未使用データ容量を、売買や繰り越しなどによって金銭的価値として扱う考え方。従来は消費されるだけだった通信量を資産として再評価する概念。
「ギガ」売買の拡大余地とリスク、通信費再定義の可能性
「メルカリモバイル」において、「ギガ」の売買に一定の流動性が確認されている点は注目に値する。
この仕組みが普及すれば、通信費は固定費から可変的に最適化できる支出へと変化する可能性がありそうだ。
一方で、価格は需給に依存すると考えられるため、変動リスクを伴うだろう。必要なタイミングで適切な容量を確保できない可能性もある。
さらに、キャリア側の制約や制度整備の遅れが普及の障壁となる点もデメリットになりそうだ。
今後、「ギガ」の流通市場が成熟すれば、価格の安定化や取引の効率化が進み、通信インフラの利用形態そのものが変化するかもしれない。
ただし、節約手段にとどまるか、新たな資産運用領域へ発展するかは、ユーザーの認識変化と制度設計に依存すると考えられる。
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