2026年3月25日、メルカリは、生成AIによる画像や加工画像を出品に使用する際の注意点を公式サイトで公表した。誤解を招く画像が取引トラブルにつながる可能性があるとして、禁止行為と適切な出品ルールを明確化した。
生成AI画像利用の注意点と禁止行為を明示
メルカリは今回、生成AIや画像加工アプリで作成された画像を出品に用いる際の具体的な注意点を公表した。背景には、実物と異なる画像が購入者の誤解を招き、取引トラブルへ発展するケースの増加があるとみられる。
同社は「実物のない出品」や「虚偽・誤解を招く情報の記載」を明確に禁止しており、出品時には商品の状態を正確に反映した画像の掲載を求めている。特に、生成AIで作成した画像を実物写真のように見せる行為は規約違反に該当するとされる。
具体的な禁止例としては、傷や汚れ、使用感を画像加工によって隠したり消去したりする行為が挙げられる。また、生成AI画像を実在する商品に見せかける表現や、取引メッセージ・事務局への連絡で虚偽画像を使用する行為も対象となる。
さらに同社は、違反が疑われる出品や取引に遭遇した場合には速やかな通報を呼びかけている。ユーザーによる監視と通報を前提とした運用を強化することで、プラットフォーム全体の健全性維持を図る構えである。
近年は生成AI(※)の普及により、誰でも高精度な画像を簡単に生成できる環境が整った。その一方で、実物との乖離を意図的に生み出す不正利用も懸念されており、今回のルール明確化はこうしたリスクへの対応と位置付けられる。
※生成AI:テキストや画像、音声などを自動生成する人工知能技術。近年は画像生成モデルの進化により、実在と見分けがつかないレベルのビジュアルを誰でも容易に作成できるようになっている。
利便性と信頼の両立へ AI時代の取引基準はどう変わるか
今回の対応は、生成AIの利便性と取引の信頼性をどう両立させるかという課題に対する一つの解答と位置付けられる。高品質な画像を容易に作成できる点は出品者にとって大きなメリットだが、その自由度の高さが誤認リスクを高める側面もあるとみられる。
特にフリマ市場では、画像と説明文が商品の価値判断を左右するため、情報の正確性は極めて重要な要素となる。ルール整備により一定の安心感は高まると考えられる一方で、加工の許容範囲が不明確なままでは出品者側に萎縮効果が生じる可能性も否定できない。
また、今後は生成AIの進化によって、実物との差異を人間が見分けること自体が困難になる局面も想定される。その場合、プラットフォーム側には画像の真正性を検証する技術的対応や、AI生成の明示義務といった追加施策が求められる可能性がある。
長期的には、単なるルール規制にとどまらず、AI活用を前提とした新たな取引基準の確立が重要な論点になるとみられる。透明性を担保しながら利便性を維持できるかどうかが、フリマアプリ各社の競争力に影響を与える可能性がある。
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