SBIホールディングスがデジタル証券株式会社との資本業務提携を発表した。販売連携と共同開発を通じてSTOのバリューチェーンを強化し、国内デジタル証券市場の拡大を加速させる狙いである。
SBIとDS社、STの販売連携と共同開発へ
SBIホールディングスは2026年3月23日、デジタル証券社(DS社)との資本業務提携を締結し、同社株式の20%超を取得して持分法適用関連会社とする方針を示した。
DS社は、セキュリティトークンオファリング(STO※)の組成・運用・販売に加え、投資家間売買までを一体で提供する企業である。同社は昨年9月より、SBIグループや三菱商事などから出資を受けてきた経緯がある。
今回の提携では「デジタル証券の販売連携」と「デジタル証券の共同開発」の2軸が打ち出された。
「デジタル証券の販売連携」では、オーナーシップ社が運営するプラットフォーム「OwnerShip」で組成されたデジタル証券を、SBI証券などが委託販売する仕組みを構築する。
「デジタル証券の共同開発」では、航空機や船舶、美術品、知的財産権などを裏付けとするオルタナティブ資産型のデジタル証券を共同開発する計画が示された。
※セキュリティトークンオファリング(STO):ブロックチェーン技術を活用し、株式や社債、不動産などの権利をトークンとして発行・販売する資金調達手法。
市場拡大の鍵は流動性と信頼性の両立か
今回の提携により、デジタル証券の発行・販売・流通が一体化されることで、投資体験の効率化がもたらされそうだ。従来分断されていたプロセスが接続され、利便性が向上すれば、市場参加のハードルは低下するだろう。
特に、オルタナティブ資産の小口化は大きなメリットとなり得る。高額で流動性の低い資産に対してもアクセスが可能となれば、個人投資家の選択肢は拡張されるはずだ。
一方で、裏付け資産の多様化は評価の難易度を押し上げ、リスク把握が複雑化するかもしれない。
また、流動性の確保も課題となりそうだ。ST市場はまだ参加者が限定的であるため、売買が活発に成立する環境には至っていないと考えられる。流通市場が機能しなければ、投資家の資金拘束リスクが高まり、市場拡大の制約となる可能性がある。
今後は、機関投資家の参入や規制整備、取引インフラの高度化が進むかが焦点となるだろう。大手金融機関が主導する今回のような統合が継続すれば、デジタル証券は従来の証券市場を補完する存在から、独立した資産クラスへと進化するかもしれない。
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