国内暗号資産交換業者のビットトレードは、分散型台帳技術HederaのネイティブトークンHBARの取扱いを開始した。
企業実装が進むインフラ型DLTへの投資機会を国内市場に提供する動きとして注目される。
HBAR取扱開始、国内最多級へ
2026年3月25日、ビットトレードは、HBARの出金および販売所での売買サービスを開始した。これにより同社の取扱銘柄数は48に達し、ビットトレード調べでは国内二位のラインナップとなる。
従来は個人向け資産が中心だったが、今回の追加は企業用途を意識した分散型台帳へのアクセス拡張という意味合いを持つ。
HBARは、Hedera Hashgraphと呼ばれる分散型台帳基盤上で利用されるトークンである。同ネットワークは、有向非巡回グラフ(DAG)(※)構造と独自のハッシュグラフコンセンサスを採用し、高速かつ低コストな取引処理を特徴とする。
公称では1秒あたり1万件以上の処理性能を持ち、固定手数料やエネルギー効率の高さも評価されている。
また、HederaはGoogleやIBMなどの大手企業が参加するガバナンス組織によって運営されており、パブリックチェーンとしては異例の企業主導型モデルを採る。この設計が信頼性と実用性を重視する企業導入を後押ししていると考えられる。
※有向非巡回グラフ(DAG):ブロックチェーンのような直線的な構造ではなく、取引同士が網状に連結されるデータ構造。並列処理に強く、高速なトランザクション処理を実現できる。
企業導入拡大と投資機会の両面
HBARの国内取扱開始は、単なる銘柄追加にとどまらず、企業向け分散台帳市場への投資アクセスを広げる点に意義がある。
近年、RWA(実物資産)のトークン化やサプライチェーン管理、デジタルIDといった領域でHederaの採用が進んでおり、インフラ型ブロックチェーンとしての位置付けが強まりつつある。
投資家にとっては、こうした実需ベースのネットワーク成長に連動した長期的な価値上昇への期待が生まれる。
一方で、企業主導のガバナンス構造は分散性の観点から議論の余地があり、従来型のパブリックチェーンとは異なるリスクプロファイルを持つ点には留意が必要だ。
さらに、暗号資産市場全体の価格変動リスクや規制環境の不確実性も依然として大きい。特に日本市場では取扱銘柄の選定基準が厳格であるため、今回の上場は一定の信頼性の裏付けとも言えるが、それが価格安定性を保証するものではない。
今後は、企業実装の進展とともに、Hederaがどの程度実経済と接続するかが評価軸となる。
国内取引環境の整備が進む中で、インフラ型トークンへの投資は新たな選択肢として定着する可能性がある。
関連記事:
ビットトレード、JTB・NTTテクノクロスとWeb3共同研究 NFT推し活で地域活性化へ
