国内暗号資産取引所のSBI VCトレードは「カントンコイン(CANTON)」および「ベラ(BERA)」の取扱い開始を発表した。
両銘柄が国内取引所に上場するのは初となり、日本市場に新たなレイヤー1基盤が加わる。
CANTONとBERAが国内初上場
2026年3月25日、SBI VCトレードは、CANTONおよびBERAの取扱いを販売所形式の現物取引で開始したと発表した。
両銘柄はいずれも国内暗号資産取引所では初上場となり、取扱銘柄の拡充が進んだ形となる。
なおCANTONのティッカーは一般的に「CC」とされるが、同取引所では「CANTON」として表記されるとのことだ。
CANTONは、金融機関向けに設計されたレイヤー1ブロックチェーン(※)「Canton Network」上で発行されるネイティブトークンである。
同ネットワークにはゴールドマン・サックスやHSBC、BNPパリバ、ドイツ取引所、マイクロソフトなどが参画しており、資産のトークン化やリアルタイム決済の基盤としての活用が進んでいるという。
一方のBERAは、EVM互換のレイヤー1である「Bera Chain」上のネイティブトークンであり、独自のコンセンサスアルゴリズム「Proof of Liquidity(PoL)」を採用している。
流動性提供を通じて報酬を得る仕組みが特徴であり、従来のステーキング中心の設計とは異なるインセンティブ構造となっている。
また同社は取扱い開始に合わせ、総額1,000万円相当の暗号資産を配布するキャンペーンを開始した。
対象期間は3月25日から4月30日までで、一定額以上の購入とエントリーを条件に抽選が行われる。
※レイヤー1ブロックチェーン:独自のネットワークとコンセンサス機構を持ち、他のブロックチェーンに依存せずにトランザクション処理やスマートコントラクト実行を行う基盤。ビットコインやイーサリアムもこの分類に含まれる。
金融用途と流動性設計が示す差別化軸
今回の上場は、レイヤー1の設計思想の多様化が日本市場にも波及していることを示す動きと捉えられる。
CANTONは金融機関の要件に適合する設計を採用しており、既存金融との接続性を重視した基盤として位置づけられる。
一方でBERAは、流動性を軸にしたインセンティブ設計を採用しており、ユーザー参加を促す構造を持つ。
こうした違いは、想定されるユースケースや参加主体の性質にも影響を及ぼす可能性があると評価できるだろう。
用途や目的に応じて異なる基盤が選択されることで、ブロックチェーンの活用領域はより細分化されていくと考えられる。
一方で、新規銘柄の上場に伴う価格変動や流動性の不安定さには留意が必要だ。
特に国内市場では初期の取引量が限定される傾向もあり、短期的には価格形成が不安定になる局面も想定される。
今後は、各ネットワーク上での実利用の拡大やエコシステムの形成が進むかどうかが焦点となりそうだ。
設計上の特徴が実需と結びつくかが、両銘柄の評価を左右する要因になるとみられる。
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