カバー株式会社は、VTuberである星街すいせいの個人事務所「Studio STELLAR」設立を発表した。
音楽活動を中心とした新体制へ移行し、ホロライブ所属を維持しながらソロアーティストとしての展開を強化する方針だ。
個人事務所設立で音楽活動強化
2026年3月22日、カバー株式会社は、星街すいせいのアーティスト活動を強化する目的で、個人事務所「Studio STELLAR」の設立および新たな支援体制への移行を発表した。
2018年のデビュー以降、音楽を軸に活動を展開してきた星街すいせい氏は、2019年にホロライブプロダクションへ所属して以降も、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」出演や楽曲「ビビデバ」の1億再生突破など、VTuberとして突出した実績を積み上げてきた。
さらに、さいたまスーパーアリーナや日本武道館といった大規模会場でのライブ公演も成功させており、配信主体のVTuber像を超えた存在として評価されている。
こうした実績と今後の目標を踏まえた上で、東京ドーム公演の実現やメジャーシーンでのさらなる展開を見据え、活動の軸をソロアーティストとしての領域へ移行する判断に至ったとされる。
今後は、音楽活動や配信、新規グッズ展開、ファンクラブ運営などが個人事務所へ移行する一方で、ホロライブ所属VTuberとしてのコラボやグループ活動は継続される。
タレントマネジメントは株式会社NERDが担い、カバーとの連携体制のもとで活動を支援する構造となる。
VTuber発アーティストモデル拡張
今回の個人事務所設立は、VTuberのキャリアモデルに新たな選択肢を提示する動きと捉えられる。
従来は事務所主導で活動領域が定義されるケースが多かったが、個人事務所を介した独立性の高い運営により、音楽ビジネスとしての意思決定の自由度が拡大すると考えられる。
特に、ライブ動員や楽曲再生といった実績を持つ星街すいせいのケースでは、IPとしての価値をより直接的に収益化する構造への転換が進む可能性がある。
ファンクラブ運営やグッズ展開を自社主体で行うことで、収益配分の最適化が図られる点も重要と言える。
一方で、個人事務所運営にはリスクも伴う。
制作体制やプロモーション、契約管理などを自ら統括する必要が出てくる可能性もあり、従来の大手事務所の支援に依存しない体制構築が求められるだろう。
マネジメントを担う株式会社NERDとの連携が、その成否を左右する要素になると言える。
今回の動きは、VTuberという存在が配信活動に収まらず、音楽やライブを軸に価値を広げる総合エンターテインメントIPへと変化しつつある現状を示しているように見える。
今後、同様のモデルを採用するタレントが増えるかどうかが、業界構造の変化を測る指標となりそうだ。
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