国内上場企業のメタプラネットは、新株発行と新株予約権の第三者割当などにより最大約1,220億円を調達する計画を発表した。
ビットコイン取得を主目的とし、2027年末までに21万BTC保有を目指す戦略を打ち出している。
最大1220億円調達でBTC戦略拡大
2026年3月16日、メタプラネットは、新株式の第三者割当および複数回にわたる新株予約権の発行を組み合わせ、最大約1,220億円規模の資金調達を実施する方針を発表した。
グローバル機関投資家向けの割当により約408億円を確保し、さらに新株予約権の行使により最大約445億円の追加資金が見込まれている。
加えて、同社はmNAV(※)条項を付したムービング・ストライク・ワラント(MSワラント)を導入した。
これは企業価値がビットコイン純資産に対して一定水準を上回る局面でのみ資金調達が行われる仕組みであり、株式希薄化の抑制と資金確保の両立を狙った設計とされる。
このスキームにより最大約371億円の追加調達が可能となり、総額は約1,220億円規模に達する見込みだ。
調達資金のうち約900億円規模がビットコイン取得に充当され、2026年4月から2028年にかけて段階的に購入が進められる。
同社のビットコイン保有量は2025年末時点で35,102BTCに達しており、2024年初の1,762BTCから急拡大している。
今後は2026年末に10万BTC、2027年末に21万BTCという高い目標を掲げている。
※mNAV:企業価値を保有BTCの純資産価値で割った倍率指標。企業価値が保有BTC価値に対してどの程度上回っているか、または下回っているかを示す。
資本政策の高度化とリスクの両面
今回の資金調達は、単なる増資ではなく、株価や資産価値指標に連動した設計を取り入れた点が特徴といえるだろう。
mNAVを条件とした資金調達は、企業価値が高く評価されている局面に限定して資本を拡充する仕組みであり、既存株主への影響を抑えつつ成長資金を確保する合理的な手法ともいえる。
一方で、ビットコインへの大規模な資産集中は、価格変動が企業価値に直接影響しやすい構造を強める側面があると考えられる。
BTC価格が上昇すれば資産価値と株価の双方が押し上げられるが、下落局面では評価損や資金調達環境の悪化につながる可能性も否定できない。
また、2027年末までに21万BTCという目標は、企業としては極めて異例の規模であり、資産運用と資本市場の両面で継続的な市場信認が求められるだろう。
調達スキームの巧緻さが評価される一方で、市場環境への依存度が高まる点は留意すべき要素となる。
それでも、上場企業がここまで明確にビットコインを中核資産として位置付ける動きは、日本市場におけるデジタル資産戦略の一つの到達点を示しているともいえる。
今後は同様の資本政策を採用する企業の増加が注目される局面に入りそうだ。
株式会社メタプラネット 第三者割当による第 27 回新株予約権(行使価額修正条項、mNAV 条項、下限行使価額修正条項及び行使停止条項付)の発行及び新株予約権の買取契約の締結に関するお知らせ
株式会社メタプラネット 第三者割当による新株式及び第 26 回新株予約権の発行に関するお知らせ
関連記事:
メタプラネット ビットコイン評価損で赤字、営業利益62億円
