2026年3月13日、東証グロース上場のTORICOはイーサリアム(ETH)の追加取得を発表した。今回の取得により総保有量は2,156ETHを超え、同社は暗号資産を活用した収益モデルの強化を一段と進める方針を示した。
TORICO、ETHを追加取得し保有拡大
TORICOは2026年3月13日、暗号資産投資事業の一環として79.9897ETHを26,999,893円で追加取得した。平均取得単価は1ETHあたり337,542円となっている。
これにより同社のETH総取得量は2,156.0439ETH、総取得額は968,616,928円に到達した。なお、平均取得単価は449,257円となっている。
同社は2025年末以降、複数回にわたり段階的なETH取得を実施してきた。資金源としては第11回新株予約権による調達資金を充当しており、暗号資産をバランスシートに組み込む戦略を継続的に推進している点が特徴だ。
また、保有ETHにはステーキング収益が含まれており、単なる保有ではなく運用益の獲得も視野に入れている。これは暗号資産を事業用資産として活用する「トレジャリー戦略(※)」の一環と位置付けられる。
※トレジャリー戦略:企業が余剰資金を株式や債券だけでなく、暗号資産などに配分し、資産運用による収益獲得を目指す財務戦略。近年はビットコインやイーサリアムの保有を通じた企業価値向上が議論されている。
企業トレジャリー戦略の進化と課題
TORICOが掲げるのは、暗号資産を活用して収益を生む「PER型金融モデル」の確立である。ステーキングや金融プロトコルを組み合わせることで、従来の単純な保有益に依存しない収益構造を構築する狙いがある。
この戦略の利点は、資産のインフレ耐性や運用利回りの向上にある。特にETHはスマートコントラクト基盤としての需要が高く、ステーキングによる安定的な収益機会が存在するため、企業財務における新たな収益源となりうる。
一方で、価格変動リスクは依然として大きい。実際、同社の平均取得単価は現在の取得価格より高く、評価損益は市場環境に大きく左右される構造にある。また、会計処理や規制対応の不確実性も、日本企業における暗号資産活用の障壁として残る。
さらに、外部プロトコルへの依存はスマートコントラクトリスクやカウンターパーティリスクを伴う。運用の高度化が収益機会を拡張する一方で、リスク管理体制の整備が企業価値に直結する段階に入っていると言える。
今後は、同様のトレジャリー戦略を採用する企業が増加する可能性があるが、その成否においては運用能力とリスク統制の両立が重要となるだろう。TORICOの取り組みは、日本企業における暗号資産活用の実証ケースとして注視される可能性がある。
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