2026年3月11日、米IT大手のメタ・プラットフォームズが自社開発のAI半導体4種のロードマップを公表した。2026年にかけて順次導入される予定であり、急増するAI推論需要への対応が狙いだ。
メタ、自社AI半導体MTIAの拡張計画
メタが公表したのは「Meta Training and Inference Accelerator(MTIA)」プログラムの一環として開発された4種類のAI半導体である。
MTIAとはMeta Training and Inference Acceleratorの略で、メタが自社AI処理のために開発している専用半導体プログラムだ。
最初のチップ「MTIA300」はすでに社内システムで稼働しており、ランキング・推薦システムの処理に利用されている。
残る3種類のチップは2026年から2027年にかけて順次投入される計画だ。
特に最後の2種類は推論処理に特化した設計となる見込みで、メタのエンジニアリング担当副社長Yee Jiun Song氏は「推論需要が爆発的に増加しており、当社が注力している領域だ」と説明している。
同社はAI機能の拡張に伴いデータセンターの増設を急速に進めており、新半導体は約6カ月ごとのペースでリリースされる予定である。
AIインフラ競争激化 独自半導体の波及
今回の計画は、AIインフラを巡るテック企業間の競争が新たな段階に入ったことを示唆している。
これまでAI処理の多くはGPU大手の半導体に依存してきたが、巨大IT企業が独自チップを開発する動きもあり、今回の導入はその一例と言える。
自社半導体の導入は、AIサービスの運用コストを抑えつつ処理性能を最適化できるという利点がある。
特に推論処理はユーザー向けサービスで大量に発生するため、専用チップによる効率化は広告推薦や生成AI機能の高度化を支える基盤となる可能性が高い。
一方で、半導体設計には巨額の投資と高度な技術が必要であり、開発の成否が企業のAI戦略を左右するリスクも存在する。
今後はクラウド企業やAI企業の競争軸として独自半導体も重要になり、AIエコシステムの主導権争いがさらに激化すると見られる。
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