Gaia株式会社は、AIの社会実装実績を持つ株式会社イオレと資本業務提携を締結したと発表した。
両社は上場企業向けDAT運用の高度化を目的に、AIと暗号資産運用データを融合した新たな運用モデルの共同展開を進める。
Gaiaとイオレ、AI融合DAT運用を共同展開
2026年3月11日に発表された資本業務提携は、2025年11月に両社が締結した金融事業に関する戦略的事業提携の基本合意を深化させたものである。
AI技術を強みとするイオレの技術基盤と、Gaiaが7年以上にわたり蓄積してきた実運用データを統合し、AI駆動型DAT運用モデルの共同開発を進める方針だ。
Gaiaは2017年から暗号資産市場に参入し、上場企業向けのDAT運用支援を主力事業として展開してきた。マーケットニュートラル型戦略による運用を特徴とし、低ドローダウン(※2)や高シャープレシオ(※3)を重視した設計を掲げている。
同社はDeFi領域でも運用実績を持ち、Polygonでは世界3位、Arbitrumでは世界5位の運用規模を記録した実績がある。
また、上場企業を中心としたDAT導入企業に対し、リスクヘッジ設計やカストディ体制構築、海外取引所口座の整備、DeFiプロジェクト連携などの支援を提供してきた。
※1 DAT:Digital Asset Treasuryの略称。企業がビットコインなどの暗号資産を財務資産として保有・運用する戦略のこと。
※2 ドローダウン:運用資産が過去の最高値からどの程度下落したかを示す指標。
※3 シャープレシオ:投資のリターンが、どれだけ効率的にリスクを取って得られたかを示す指標。
DAT拡大の利点とリスク、AI運用の展望
企業が暗号資産を財務戦略に組み込む動きは、インフレヘッジや資産分散の手段として注目できる一方で、保有後の価格変動リスクや運用戦略の整備が大きな課題になっていると考えられる。
今回発表されたAIを活用した運用モデルは、こうした課題を解決する手段の一つとなりそうだ。
最大のメリットは、データ分析を基盤とした高度なリスク管理が可能になる点だろう。
AIが市場データやオンチェーン情報を分析することで、価格変動への対応やポジション調整を自動化できる可能性がある。
従来は専門トレーダーの経験に依存していた領域が、システム化される余地があると言える。
一方で、暗号資産市場は規制環境や流動性が急変しやすいため、AIモデルだけでリスクを完全に制御することは難しいだろう。
アルゴリズムの想定外の市場変動や、DeFi領域特有の技術リスクなども無視できない要素だ。
企業財務として扱う以上、ガバナンスや監査体制の整備は不可欠になりそうだ。
今後は、AIを活用したDAT運用が企業金融の新しい領域として定着するかどうかに注目したい。
運用実績が積み上がれば、暗号資産は「保有する財務」から「運用する財務」へと位置づけが変化する可能性もありそうだ。
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