仮想通貨詐欺調査を手がけるBlockTraceJapan株式会社は、資金追跡調査と海外暗号資産取引所への情報提供を通じ、詐欺関連アカウントの凍結・停止が複数取引所で確認されたと発表した。
海外取引所9社で詐欺アカウント凍結確認
2026年3月11日、BlockTraceJapanは、仮想通貨詐欺被害における資金の流れを独自に追跡調査した結果をもとに、海外暗号資産取引所へ情報提供とアカウント凍結要請を実施したことを発表した。
その結果、Bitget、Gate.io、OKX、HitBTC、KuCoin、MEXC、CoinW、Zoomex、Bitkubの計9つの海外取引所で、詐欺関連アカウントの凍結または停止が確認されたという。
取引所からアカウント凍結・停止に関する通知を受領しており、調査結果が実際の対応につながったケースとして公表された。
日本国内の民間仮想通貨調査会社によるこうした実績は「極めて稀である」と同社は説明している。
近年、仮想通貨を悪用した投資詐欺やロマンス詐欺、偽取引所を利用した詐欺などの被害が増加している。
特に資金が海外取引所に移動した場合、捜査権限が国外に及ぶことや取引所との連絡の難しさから、警察対応でも長期化するケースが少なくない。
さらに、民間の仮想通貨調査会社では資金追跡の報告書作成までで対応が終わり、被害者はその後に警察へ被害届を提出するのみというケースも多い。
同社はこうした状況を踏まえ、追跡調査の結果を実際の凍結要請につなげる支援体制を構築したと説明している。
民間追跡で被害回復前進か 可能性と限界
本件は、仮想通貨詐欺被害の回復において、民間調査会社が果たし得る役割を示せたという点に意義がありそうだ。
資金追跡と取引所への凍結要請を組み合わせることで、詐欺資金が取引所内に残っている段階で対応できる可能性が高まるかもしれない。
ブロックチェーン分析を専門とする民間企業が技術面を担うことで、被害回復の選択肢が増えることは被害者にとって一定のメリットになると言える。
一方で、こうした取り組みには限界も存在するはずだ。
資金が複数のウォレットやサービスを経由して移動している場合、追跡や凍結の難易度は大きく上昇するだろう。
また、最終的な対応は取引所側の判断や各国の法制度に依存するため、すべてのケースで資金凍結を実現できるわけではないと考えられる。
それでも、ブロックチェーン分析技術の高度化と国際的な情報共有が進めば、仮想通貨詐欺に対する抑止力は徐々に強まる可能性がある。
今後は取引所、調査企業、捜査機関の連携がどこまで制度化されるかが、被害回復の実効性を左右するポイントになるだろう。
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