2026年3月10日、国立研究開発法人建築研究所が災害調査向けの人型ロボットシステムを関係者向けに公開したと毎日新聞が報じた。
AIやセンサーを搭載したロボットが遠隔指示を理解し、被災建物の状況を確認する仕組みで、将来的には自律的に判断して行動するフィジカルAIの実装を目指している。
人型ロボットと四足ロボットが連携調査
3月10日、国立研究開発法人建築研究所は、災害時の被災調査を想定した人型ロボットシステムを関係者向けに公開したと毎日新聞が報じた。
ロボットは身長約130センチ、重量約40キロの中国製機体で、運用システムは建築研究所とポケット・クエリーズが共同で開発した。
運用システムは同研究所とIT企業ポケット・クエリーズが共同で構築した。
機体にはカメラや各種センサー、AIが搭載されており、周囲の状況を認識したり、人間の指示を理解したりする機能を備える。
人間がモニターや仮想現実(VR)の映像を見ながら遠隔で簡単な指示を出すと、ロボットが柱に近づき、傾きなどの状態を確認する動作が実演された。
このデモでは、人型ロボットが四足歩行ロボットとペアを組んで調査を行う構成が採用された。
一方で、実際の災害現場では瓦礫や段差が多く、二足歩行ロボットが自律的に障害物を回避しながら行動するには課題が残る。
研究チームは今後、複数のロボットを連携させ、災害現場で司令塔のような役割を持たせる構想を示している。
フィジカルAIが変える災害調査の可能性
人型ロボットと四足ロボットを組み合わせる構成は、災害現場における役割分担型のロボット運用という観点で注目できる。
機動性に優れた四足ロボットが移動を担い、人型ロボットが建物の状態確認などを行う形は、複雑な現場環境に対応する一つの方法となるだろう。
災害発生直後の現場では倒壊や余震などの危険が残ることも多い。
ロボットが初期調査を担う仕組みが確立すれば、人が立ち入る前に被害状況を把握できる可能性がある。
調査の迅速化や安全確保という面で一定の利点が見込まれる。
一方で、二足歩行ロボットの安定した移動や完全な自律行動の実現には技術的な課題も考えられる。
瓦礫や段差の多い環境では転倒や動作停止のリスクがあり、AIによる状況判断の精度や通信の安定性なども重要な検討事項になるだろう。
将来的にフィジカルAIの技術が進展すれば、複数のロボットが連携して現場を調査する仕組みが発展する可能性もある。
ロボットが災害対応の初期段階を担う体制が実現するかどうかは、今後の実証と技術改良の積み重ねにかかっていると言える。
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