2026年3月9日、日本のファッションEC大手ZOZOは、米AI企業OpenAIの対話型AI ChatGPTの新機能「Apps in ChatGPT(※)」への対応を発表した。ファッションアプリWEARとECサイトZOZOTOWNのデータを活用し、会話を通じて好みに合うコーディネートや商品を提案する機能を提供する。
ChatGPTで服探し ZOZOがAI提案機能
ZOZOは、ChatGPT上で自社サービスの情報を利用できるアプリ連携を開始した。ユーザーは会話形式でファッションの相談ができ、好みに合ったコーディネートやアイテムの提案を受けられる。
今回の仕組みでは、WEARとZOZOTOWNが保有するデータをAIが参照する。特にWEARには1400万件以上のコーディネート投稿が蓄積されており、これらの情報をもとにシーンや天候などの条件に合わせたスタイリング提案を行う。
ユーザーは「春の通勤に合うカジュアル」「デート向けの大人コーデ」など、曖昧な要望を入力するだけでよい。AIは会話を通じて条件を整理しながら、画像とテキストで具体的なスタイルを提示する仕組みだ。
また、この機能はChatGPT上からZOZOのアプリを呼び出すことで利用でき、WEARやZOZOTOWNへの会員登録は不要としている。
同社によれば、ファッション検索では「求めるイメージをうまく言語化できない」ために、目的の商品にたどり着けないケースが多いという。対話型AIを介することで曖昧な好みを整理し、より具体的な商品提案につなげる狙いがある。
ZOZOは今後、ファッション領域に特化した独自の対話型AIエージェントの開発も進める方針を示している。
※Apps in ChatGPT:ChatGPT上から外部サービスやアプリの機能を呼び出し、AIとの会話の中で直接利用できる仕組み。ECや予約、検索などの機能をAIインターフェースから操作できる点が特徴とされる。
AIスタイリスト時代 利便性と課題
今回の取り組みは、ECサイトにおける商品検索のあり方を変える可能性がある。従来のオンラインショッピングは、ブランド名やカテゴリなどのキーワード検索が中心だった。しかし対話型AIを介すれば、ユーザーは会話を通じて希望を整理しながら商品を探すことができる。
特にファッションは感覚的な要素が強く、「雰囲気」や「イメージ」で選ばれる傾向がある。AIが大量のコーディネートデータをもとに提案を行えば、ユーザーはAIスタイリストと相談する感覚で服を選べるようになる可能性がある。
一方で、AIによる推薦が特定ブランドや人気商品に偏るリスクも考えられる。アルゴリズムの仕組みがブラックボックス化すれば、ユーザーの選択肢が見えにくくなる懸念も指摘されるだろう。
それでも、生成AIとECデータの融合は今後さらに進展する可能性がある。もし対話型AIが購買体験の入口になれば、オンラインショッピングは「検索する場所」から「相談する場所」へと変化していく可能性がある。
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