日産自動車が米配車サービス大手Uber Technologiesと自動運転分野で協業する方向で最終調整していると、2026年3月9日に読売新聞が報じた。
日産、EVベース自動運転車をウーバーに供給
今回の協業では、日産の電気自動車「Nissan Leaf」をベースにした自動運転車両がウーバー向けに供給される。これにより、数年後をめどに国内外で無人配車サービスの開始を目指す計画である。
日産は、2025年12月に英国のAIスタートアップWayve Technologiesと協業契約を締結し、AIを活用した自動運転車の量産化に向けた共同開発を開始している。ハンドル操作なしで目的地まで走行できる車両の販売を視野に入れている段階だ。
同社は、力を入れている自動運転分野での協業を強化し、業績回復を図ることで経営再建につなげたい考えである。
なお、自動運転配車を巡る競争はすでに激化しており、米EV大手のTeslaはテキサス州で自動運転配車サービスの試験提供を開始している状況である。
無人配車拡大の利点とリスク、今後の展望
自動運転技術を活用した配車サービスが普及すれば、移動コストの低下や運行効率の向上といったメリットが期待できる。ドライバー不足が深刻化する地域でも安定した移動手段を提供できる可能性があるため、高齢化社会における交通インフラとしての役割も大きくなるだろう。
また、日本では国土交通省が完全自動運転に近い「レベル4(※)」のタクシーやトラックを2030年度までに1万台規模へ拡大する目標が掲げられているため、そうした政策面も本件を後押しする要因となるかもしれない。
一方で、課題も多そうだ。
自動運転システムの安全性確保や事故時の責任分担、サイバーセキュリティなど、解決すべき事項は多岐にわたるだろう。
加えて、既存のタクシー業界や雇用への影響も社会的議論を呼ぶ可能性がある。
それでも、自動車メーカーとIT企業が連携する動きは今後さらに広がるとみられる。車両製造とデータプラットフォームが融合することで、モビリティ産業は「車を所有する時代」から「移動サービスを利用する時代」へと構造的に転換していく可能性がありそうだ。
※レベル4:特定の地域や条件下で人が運転操作を行わなくても走行できる自動運転の段階。緊急時も含め車両側が運転を担うため、ドライバーによる常時監視を必要としないとされる。自動運転の実用化に向けた重要な段階と位置づけられている。
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