2026年3月5日、電通が発表した「2025年 日本の広告費」の4社が詳細に分析したレポートが同日に発表された。
国内総広告費は8兆623億円と過去最高を更新し、その中でインターネット広告媒体費は3兆3,093億円に拡大。動画広告は初めて1兆円を突破した。
市場データの詳細、動画広告が成長を維持
電通とCARTA HOLDINGS、電通デジタル、セプテーニの4社は、インターネット広告媒体費の内訳を分析したレポート「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を公表した。2025年のインターネット広告媒体費は前年比111.8%の3兆3,093億円となり、堅調な拡大が続いている。
広告種別で最も成長が目立ったのはビデオ(動画)広告である。
市場規模は前年比121.8%の1兆275億円となり、推定開始以来初めて1兆円を突破した。インターネット広告媒体費に占める構成比も30%を超え、引き続き高い成長率を維持した。
また、ソーシャル広告も前年比118.7%の1兆3,067億円へ拡大した。
SNS上の広告需要が拡大しており、特に動画共有系サービスの広告比率は前年より増加し、5,126億円(構成比39.2%)となった。
取引手法別では、運用型広告(※)が2兆9,352億円となり、インターネット広告媒体費全体の88.7%を占めた。
2026年のインターネット広告媒体費は、前年比108.3%の3兆5,840億円に拡大すると予測されている。
動画広告も二桁成長を維持し、1兆1,783億円規模に達する見通しである。
※運用型広告:検索広告やSNS広告など、入札方式やアルゴリズムを用いて広告配信を自動最適化する広告手法。広告主は目標や予算を設定し、配信結果のデータに基づいてリアルタイムで広告運用を調整できる仕組みを指す。
動画中心の広告市場へ、拡大の利点とリスク
動画広告の成長は、企業のマーケティング手法に大きな変化をもたらしていると考えられる。映像と音声を組み合わせた表現は情報伝達力が高く、SNSや動画プラットフォームと組み合わせることでブランド訴求を強化できる点がメリットとなりそうだ。
さらにデータ分析に基づくターゲティングが可能なため、広告効率の向上にもつながり得る。
一方で、市場の拡大は新たな課題も生んでいると推察できる。
広告量の増加によりユーザーの広告疲れが進む可能性があるほか、広告費の多くが巨大プラットフォームに集中する構造が強まっていると言える。企業が特定プラットフォームに依存するリスクは無視できない。
また、動画広告の制作コストやブランド毀損リスクも課題の一つとなるだろう。SNS上ではコンテンツと広告の境界が曖昧になりやすいため、炎上や誤解が企業イメージに影響を与える可能性もある。
とは言え、動画とソーシャルを軸とした広告市場の拡大は今後も続くとみられる。
生成AIによる広告制作や配信最適化の高度化が進めば、広告制作の効率化とパーソナライズ化がさらに進展するかもしれない。
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