米IT大手オラクルと米AI企業OpenAIがテキサス州で計画していたAI向けデータセンター拡張を中止したと、2026年3月6日にブルームバーグが報じた。
巨大AIインフラ計画「スターゲート」にも影響が及ぶ可能性がある。
スターゲート計画の一部、拡張中止
報道によると、オラクルとOpenAIは米テキサス州アビリーンにあるAI向けデータセンターの拡張計画を取りやめた。対象となるのは、600メガワットの拡張計画である。
この拡張は、ソフトバンクグループ、OpenAI、オラクルが参加する総額5000億ドル規模のAIインフラ整備計画「スターゲート(※)」の一環として進められていたものだ。2025年9月には、アビリーン周辺の主要サイトで追加設備を整備する方針が公表されていた。
しかし、資金調達条件やOpenAI側のAI需要の見通しを巡る協議が長期化し、計画は最終的に見直されることになったという。
もっとも、プロジェクト全体が停止したわけではない。
関係筋によれば、この追加容量は別の建設中データセンターキャンパスで実現する見通しである。また、アビリーンにはすでに8棟の施設があり、そのうち2棟は稼働を開始しているという。
さらに、OpenAIとオラクルは合計4.5ギガワット規模のデータセンター容量の開発を引き続き進める計画である。
今回の拡張計画の見直しにより、同地域のAIインフラ需要を他企業が取り込む可能性も浮上している。米IT大手メタ・プラットフォームズが、データセンター開発会社クルーソーから賃借を検討する可能性があるという。
※スターゲート:ソフトバンクグループ、OpenAI、オラクルなどが関与するAIインフラ整備構想。総額5000億ドル規模の投資でデータセンターや計算資源を整備し、次世代AIモデルの開発・運用基盤を強化することを目的としている。
AIインフラ投資の柔軟化と競争再編
今回の拡張計画見直しは、AIインフラ投資の現実的な難しさを示す事例と言える。
巨大データセンターは建設費や電力コストが極めて高く、需要予測を誤れば数十億ドル規模の過剰投資につながる可能性がある。そのため、企業が計画を柔軟に見直すことは、資本効率の観点では合理的な判断とも考えられる。
計算資源の拡張を段階的に進められれば、設備投資リスクを抑える戦略が取りやすくなりそうだ。
一方でデメリットも考えられる。
AIモデルの高度化は計算資源への依存度が高いため、インフラ整備が遅れればクラウドAIサービスの供給能力や研究開発スピードに影響が出る可能性がある。とりわけ大規模言語モデルの開発競争ではデータセンター容量が競争力の一部になりつつあるため、影響は大きくなるかもしれない。
今後は、スターゲート構想のような巨大集中型インフラが主流になるのか、それとも複数企業による分散型投資へ移行するのかが焦点となりそうだ。
AI産業の競争はモデル開発だけでなく、計算基盤の確保というインフラ戦略の段階に進みつつあると考えられる。
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