2026年3月4日、米SNSのXは、生成AIによる戦争関連動画をAI生成と明示せず投稿した場合、クリエイターの収益化を停止する方針を発表した。初回違反は90日間の停止、再違反では永久排除となる。コンテンツの信頼性確保を目的とした措置である。
戦争フェイク動画、AI未表示なら収益停止
Xは2026年3月、広告投稿を示す「有料パートナーシップ」ラベルに加え、AI生成コンテンツを示す表示機能(「AIで生成」ラベル)を導入している。
今回の措置は、この表示制度を基に運用される。
AIで制作された戦争関連動画を投稿する場合、「AIで生成」ラベルを表示しないと、クリエイター収益配分プログラムから90日間の停止処分を受ける。
さらに違反が繰り返された場合は、同プログラムから永久に排除されるという。
この方針は、Xのプロダクト責任者であるニキータ・ビア氏の投稿で明らかになった。
ビア氏は「人々が現場の正確な情報にアクセスできることが極めて重要」と説明している。
ビア氏は誤情報の拡散を抑えるため、ポリシーと製品の改善を継続する方針も示している。
AIコンテンツ規制のメリットと課題
今回の措置により、戦争や紛争に関する誤情報の拡散が抑制できそうだ。
AI生成コンテンツを明示する仕組みが普及すれば、ユーザーは映像の性質を理解したうえで情報を判断できるようになる可能性が高い。
結果として、SNS上の情報の信頼性向上につながるだろう。
また、収益化と透明性を結びつけた点も重要になりそうだ。
収益を得たいクリエイターほどルールを遵守する動機が強くなりやすいと考えられるため、プラットフォーム側が大規模な監視を行わなくても、一定の抑止力が期待できそうだ。
一方で、課題もある。
AI生成かどうかの判定は必ずしも明確ではなく、投稿者の自己申告に依存する部分が残るため、意図的にラベル表示を避けるケースが増えれば、検出や取り締まりのコストは高まる可能性がある。
さらに、AI技術の進化によって実写と区別がつかない映像が増えれば、規制の実効性も問われることになるだろう。
今後は、AI生成の自動検知技術や国際的なルール整備が進むかどうかが、SNSの信頼性を左右する重要なポイントになると考えられる。
関連記事:
生成AI性的ディープフェイク疑惑で「X」家宅捜索 仏当局がマスク氏聴取へ

インド政府、AI生成物への識別ラベル義務化へ ディープフェイク拡散防止で規制強化案を公表

