2026年2月25日、株式会社プロダクトフォースは、AIが設計から実査、分析までを担う「ユニーリサーチ AIインタビュー」の事前登録を開始した。従来約6週間を要したデプスインタビューを最短1日で完結させるとする。
AIが100人規模デプスを1日化
同サービスは、同社が展開する「ユニーリサーチ」上で提供予定の新機能である。調査目的を入力するだけで設問を自動生成し、AIアバターがインタビュアーとして対象者に音声・テキストで深掘りを実施。録画、文字起こし、要約、定量分析、アフターコーディングまでを一気通貫で自動処理する。
最大の特徴は規模と速度だ。従来はモデレーター手配や日程調整などで約6週間を要していた工程を、最短1日で完了させる設計としている。数名規模が一般的だったデプスインタビューを、数百名単位で実施できる点も打ち出す。工数は最大97%削減できるとしており、事前検証では2日間で50名超の回答を回収、回収率94%を確認したと公表した。
背景には、従来型デプス調査の高コスト構造と、定量調査の限界がある。専門スキルへの依存やサンプル数の制約に加え、日本マーケティング・リサーチ協会の調査では新規登録者の年間アクティブ維持率が11.3%にとどまるなど、アンケート離れも顕在化している。同社はこうした構造的課題の解消を狙う。
民主化の利点とAI依存のリスク
AIエージェント(※)が担う大規模デプス調査は、仮説検証のスピードを飛躍的に高める可能性がある。商品開発や新規事業の初期段階で、数百人規模の深層インサイトを短期間で取得できれば、意思決定の精度と実行速度の両立につながる可能性がある。時間や場所を選ばず回答できる点も、回答率や継続率の改善に寄与する余地がある。
一方で、AIによる自動深掘りの設計次第では、質問の誘導性や分析バイアスが可視化されにくくなる懸念も指摘できる。アルゴリズムの透明性や個人情報保護、データ管理体制の整備が不十分な場合には、調査結果の信頼性に影響が及ぶ可能性もある。人間モデレーターの洞察をどこまで補完・代替できるのかについても、今後の検証が求められるだろう。
同社は2026年4月にβ版トライアルを開始し、5月に正式リリースを予定している。将来的には多言語対応によるグローバル展開も視野に入れる。リサーチ業務が「人手前提」から「AI前提」へと転換するかどうかは、実運用でどの程度の成果が示されるかによって左右されると考えられる。
(※)AIエージェント:自律的に判断し、対話や情報処理を行う人工知能システム。設定された目的に基づき、質問生成や分析など複数工程を自動で実行する。
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