JPYC株式会社はソニー銀行と日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用したサービス連携に向けた基本合意書(MOU)を締結したと発表した。
銀行口座から直接JPYCを購入できる仕組みの検討を進め、日常の銀行取引とWeb3サービスを結びつける新たな利用環境の構築を目指す。
銀行口座からJPYCを直接購入へ
2026年3月2日、JPYC株式会社は、ソニー銀行と戦略的業務提携に関する基本合意書(MOU)を締結したと発表した。
日本円ステーブルコイン(※)「JPYC」と銀行サービスを連携させ、ユーザーがWeb3サービスをより身近に利用できる環境の構築を検討する取り組みとなる。
本連携では、ソニー銀行の口座預金からJPYCを即時に購入できる機能の提供を検討している。
また、JPYCのウォレットサービス「JPYC EX」上でリアルタイム口座振替を利用する仕組みも検討しており、ユーザーは振込手続きを行うことなく、画面操作のみでJPYCをチャージできるサービスの実現を目指している。
さらに、音楽やゲームなどのIPと結びつけ、デジタルコンテンツの購入や特典付与にJPYCを利用する構想が検討されている。
検討にあたってはソニー銀行のWeb3関連子会社であるBlockBloom株式会社が中心的な役割を担う。
同行の認証基盤や金融インフラと、JPYCのステーブルコイン技術を組み合わせることで、銀行とブロックチェーンをつなぐ実用的なサービス設計が進められる見込みだ。
※ステーブルコイン:法定通貨などの価値に連動するよう設計された暗号資産。価格変動を抑える仕組みを持ち、送金や決済などの用途で利用される。日本では改正資金決済法により電子決済手段として制度化された。
金融×エンタメ×Web3の新市場
今回の提携は、銀行サービスとステーブルコインを結びつけることで、Web3の利用体験を日常生活の延長線に組み込む試みと言える。
銀行口座から直接ステーブルコインを取得できる仕組みが実現すれば、暗号資産取引所を経由しない新たな利用導線が生まれる可能性がある。
特に注目されるのは、エンタテインメント分野との連携だろう。
ソニーグループが持つコンテンツ資産と金融インフラが組み合わされば、従来の決済サービスとは異なるWeb3型の体験が生まれる余地がある。
一方で、金融サービスとブロックチェーンの統合には慎重な設計が求められるはずだ。
ステーブルコインは法制度の整備が進んだとはいえ、資金決済法や関連ガイドラインに基づく安全性の確保、マネーロンダリング対策などの運用が不可欠となるだろう。
銀行と連携する以上、コンプライアンス体制の強化は重要な前提条件になると考えられる。
今回の提携によって、金融、エンタメ、Web3が交差する新しい市場が形成されるか、引き続き注目したい。
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