SB C&Sは、米ネットワーク機器企業Micas Networksと国内初のディストリビューター契約を締結したと発表した。
AI時代のデータセンター需要を背景に、次世代ネットワークスイッチの国内提供を本格化させる。
SB C&S、Micas Networks製品を国内展開
2026年2月26日、ソフトバンクグループのITディストリビューターであるSB C&Sは、米国カリフォルニア州に本社を置くネットワーク機器メーカーMicas Networksと国内初のディストリビューター契約を締結し、日本市場で同社製ネットワークスイッチの取り扱いを開始することを発表した。
SB C&Sは全国約1万5,000社の販売ネットワークを通じて製品提供を進める予定で、2026年3月12日に開催予定のAI関連イベント「AI Frontline」で展示も行う計画だ。
AIインフラ需要の高まりを背景に、国内データセンター市場での導入拡大を狙う。
Micas Networksは、クラウドやAIワークロードを想定した高性能ネットワークスイッチを中心として製品を展開している。
オープンネットワーク設計を採用している点が特徴で、オープンソースOSであるSONiCから商用OSまで幅広く対応し、特定ベンダーに依存しない柔軟なネットワーク構築が可能だ。
通信速度についても、最新チップを搭載したモデルでは800Gbpsおよび1.6Tbpsの高速通信に対応し、最大51.2Tbpsのスループットを実現する。
さらに、スイッチチップと光モジュールを同一パッケージに統合する共封装光学(CPO)(※)技術を採用し、通信の高速化と消費電力削減の両立を図る設計となっている。
※CPO(共封装光学):スイッチチップと光トランシーバーを同一パッケージに統合する次世代ネットワーク技術。電気信号と光信号の変換距離を短縮することで、高速通信と低消費電力を両立できる。
AIデータセンター競争の鍵握るネットワーク
今回の提携は、日本のAIインフラ市場におけるネットワーク技術の高度化を加速させる可能性がある。
生成AIの普及に伴い、GPUサーバーや大規模計算基盤を結ぶデータセンターネットワークの重要性は急速に高まっている。
特にAI学習や推論では、大量のデータを高速で処理する必要があるため、ネットワーク帯域の拡張は計算性能そのものを左右するだろう。
一方で、高速ネットワーク機器は導入コストや運用技術の面でハードルとなる可能性もある。
特に800Gbpsクラスのネットワークでは、既存インフラとの互換性や運用人材の確保が課題となるケースも少なくない。
技術的なメリットを実際の運用価値へ転換できるかどうかは、導入支援やエコシステムの整備に左右されるだろう。
今回の提携は、AIのための基盤技術を国内市場へ供給する新たな流通ルートとして機能するとみられる。
AIインフラ競争の次の焦点が「計算力」から「ネットワーク性能」へと広がりつつある中、ネットワーク機器市場の競争構図にも変化が生じることになりそうだ。
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