2026年2月26日、東証グロース上場の株式会社TORICOは、イーサリアム(ETH)の追加取得を発表した。これにより、累計保有は2,072ETH超となった。
132ETH追加取得、累計2,072ETH超へ拡大
TORICOは2026年2月26日、132.0789ETHを取得した。取得価額は4,247万円、平均取得単価は1ETHあたり32万1,550円である。
これにより総取得数量は、ステーキング収入分も含め2,072.7374ETH、総取得価額は約9億4,059万円に到達した。平均取得単価は45万3,792円となる。
同社は第11回新株予約権による資金調達を計画的に進め、調達資金を順次ETH取得へ充当している。
保管体制は国内大手取引所との連携を基盤としつつ、海外アドバイザーや最新の金融プロトコルも活用する方針である。
暗号資産を「稼ぐトレジャリー」と位置づけ、PER型金融モデル(※1)の確立を目指す姿勢を明確に打ち出している。
なお、本件が当期業績へ与える具体的な影響は現時点で未定であるとしており、運用状況や市場環境に重要な変動が生じた場合は速やかに開示するとしている。
※1 PER型金融モデル:保有資産から継続収益を創出しEPSを押し上げることで、株価収益率の再評価を図る財務戦略
財務革新の可能性と価格変動リスク
今回の戦略は、暗号資産を企業財務に組み込む先進事例と評価できる。
価格上昇局面では含み益の拡大が期待でき、ステーキング(※2)による継続収益も見込めるため、資産効率の向上につながる可能性がある。
Web3領域への本気度を示すシグナルとして、投資家への訴求力も高いだろう。
一方で、ETH価格のボラティリティは無視できない。
評価損の計上や純資産の変動は業績指標を揺らすリスクを伴う。新株予約権による資金調達と取得を並行する構図は、株式価値の希薄化という論点も内包するはずだ。
今後は、暗号資産を財務戦略の柱とする企業が国内で拡大するかが焦点になるだろう。
運用実績が安定的に積み上がればモデルケースとなり得るが、市場急変時の対応力が試される局面も想定される。
TORICOの取り組みは、日本企業における“攻めのトレジャリー”の成否を占う試金石になるかもしれない。
※2 ステーキング:一定量の暗号資産をネットワークに預け入れ、取引承認などに参加することで報酬を得る仕組み。利回りが得られる一方、価格変動やロック期間中の流動性制約といったリスクも伴う。
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