2026年2月26日、Pacific Metaは、カナダのLayerZero Labs Ltd.と戦略的パートナーシップを締結したと発表した。金融分野を中心に、日本企業のマルチチェーン活用を推進し、国内発デジタルアセットのグローバル流通を支援する構えである。
金融×マルチチェーン推進へ正式提携
今回の提携は、改正資金決済法の施行や、海外金融機関によるブロックチェーン活用の拡大により、日本市場でステーブルコインやRWA(※)トークン化への関心が高まっていることを背景に実現したものだ。
従来、各ブロックチェーンは独立した構造を持ち、資産移転にはブリッジ技術を介す必要があった。その結果、手続きの複雑化やコスト増大、流動性の分断といった課題が顕在化していたという。
今回の連携は、そうした課題に対して解決策を提供するものだ。
LayerZeroは165以上のチェーンを直接接続する相互運用プロトコルを提供しており、独自規格OFTやONFTにより、資産をラップ(他の形式へ変換)せずネイティブ移転できる設計を採用している。
一方のPacific Metaは、創業3年で累計260件超、41カ国以上のプロジェクトを支援してきた実績を持つ。
両社の国内市場の知見と技術基盤を融合し、日本企業が複数チェーンを前提とした金融サービスを展開できるエコシステム構築を進める方針だ。
※RWA:Real World Asset。不動産や債券など現実資産をブロックチェーン上でトークン化し、デジタル形式で発行・流通させる仕組み。
流動性拡張の利点と実装上の課題
本提携により、発行体が特定チェーンに依存せずに済むことはメリットとなりそうだ。
複数ネットワークへ同時展開できれば、需要の所在に応じて流通経路を最適化でき、資本効率の向上が期待できる。国境を越えた流動性接続は、日本発アセットの市場規模を押し広げる可能性を持つ。
一方で、マルチチェーン化は運用管理の高度化を伴う。各国規制への準拠確認、スマートコントラクト監査、クロスチェーン特有のセキュリティ対策など、技術と法務の両面で負担が増すリスクがある。
また、相互運用性が高まるほど、障害発生時の影響範囲も広がりうる点も無視できない。
LayerZeroは2026年2月、事実上無制限のブロックスペースと毎秒数百万トランザクションへの拡張を目指す新しいブロックチェーン「Zero」を発表している。こうした拡張性を前提とした基盤整備が進めば、日本企業のオンチェーン戦略はより実装段階へ移行するかもしれない。
ただし、競争優位を確立するには、単なる技術導入にとどまらず、流通設計やガバナンス体制まで踏み込んだ戦略構築が不可欠となるだろう。
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