2026年2月20日、ANAPホールディングスは、子会社を通じて米Blockstream社とビットコインL2を活用したRWA実証実験を開始すると発表した。日本市場でのサービス展開を前提に、技術・規制両面の検証に乗り出す。
Liquid上でRWA発行を実証へ
実証実験は、ANAPの100%子会社である株式会社ANAPライトニングキャピタルとBlockstream社の共同で行われる。対象となるのは、Blockstream社が開発するビットコインL2「Liquid Network」であり、実物資産を裏付けとするRWAトークンを試験的に発行する計画である。
検証項目は多岐にわたる。
Liquidを用いたトークン発行・管理体制の実用性、日本の法制度に準拠したトークンモデル設計、ライトニングネットワークとの決済連携、さらにスマートコントラクト言語「Simplicity」の研究などが含まれる。
ANAPグループは1,417BTC超を保有し、本邦上場企業で第3位のビットコイン保有量を持つ。2025年末には両社で日本市場展開に関する基本合意書を締結している。
RWA(※)市場は世界で2030年までに最大68兆ドル規模へ拡大するとの予測もあり、日本でも関連市場の成長が見込まれている。
※RWA:Real World Assetの略。不動産や有価証券、金などの現実資産をブロックチェーン上でトークン化し、デジタル資産として発行・流通させる仕組み。
拡張性の利点と規制適合の壁
ビットコイン基盤でのRWA発行が確立すれば、資産の小口化や即時決済が進み、従来の金融商品より高い流動性を実現できる可能性がある。特にLiquidはビットコインの堅牢なセキュリティを土台にしたオフチェーン拡張技術であるため、信頼性を重視する機関投資家にとっては一定の安心材料になるだろう。
一方で、法規制との整合性は依然としてハードルになり得る。
有価証券性の判断や資金決済法上の位置づけ次第では、事業モデルの再設計を迫られる展開も想定される。技術面でもSimplicityの実装実績は限定的であるため、開発人材や監査体制の整備が不可欠となるだろう。
それでも、日本は2,000兆円超の個人金融資産を抱える「RWA大国」候補である。
今回の実証が成功すれば、上場企業主導のビットコインL2活用モデルが国内標準となり、Web3と既存金融の融合が一段と現実味を帯びるかもしれない。
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