2026年2月24日、株式会社野村総合研究所(野村総合研究所、以下NRI)は、Anthropic Japanとのパートナーシップ拡大を発表した。生成AI「Claude」の日本市場向け導入支援体制を整備し、自社導入も進める。
Claude日本導入支援を体系化
NRIは、Anthropicが開発する生成AI「Claude」の日本市場向け導入支援サービスを整備し、順次拡大する。LLM(※)の提供や技術支援に加え、コーディング支援ツール「Claude Code」、法人向けプラン「Claude for Enterprise」まで支援範囲を広げる方針である。
具体的には、業務活用コンサルティング、導入・実装、運用支援までを一貫して提供する体制を構築する。さらに、早期評価版として提供されるデスクトップ向けAIエージェント「Claude Cowork」についても社内で実践的な検証を行い、得られた知見をAnthropic Japanと共有する。
NRIはこれまで複数の国内企業にClaude活用ソリューションを提供してきた実績を持つ。2025年11月には、Amazon Bedrock向けのAnthropic認定リセラーに国内で初めて選定された。今回の拡充は、こうした実績を基盤に日本市場での導入体制をさらに強化する取り組みとなる。
加えて、Amazon Web Services経由でClaude for Enterpriseを自社内へ導入し、設計・開発やテスト工程、コンサルティング業務など幅広い領域で活用を進める。社員のAIスキル底上げとノウハウ蓄積も狙いである。
※LLM:Large Language Modelの略。大量のテキストデータを学習し、自然言語の理解や生成を行う大規模言語モデルを指す。
内製化加速の利点と統制課題
今回の連携強化は、日本企業にとって生成AI導入のハードルを下げる効果が期待される。コンサルティングから実装、運用までを一気通貫で支援する体制が整えば、PoC止まりに終わらない本格活用が進みやすくなる可能性がある。特に大企業では、信頼できる導入パートナーの存在が意思決定を後押しする局面も増えると考えられる。
一方で、LLMの活用が基幹業務に深く入り込むほど、情報管理や出力品質の担保、責任範囲の明確化といった統制課題はより高度化する可能性がある。外部AIへの依存度が高まれば、モデル仕様変更や価格改定が事業計画に影響を与えるリスクも想定される。
もっとも、NRIが自社内で大規模に活用し、その知見を顧客支援へ還元する循環が機能すれば、日本市場におけるClaudeエコシステムは拡大基調を強める可能性がある。生成AI導入は実験段階から実装フェーズへ移行しつつあると見る向きもあり、今回の動きはその流れを象徴する事例の一つと位置づけられる。
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