2026年2月20日、東証グロース上場の株式会社TORICOがイーサリアムの追加取得を発表し、総保有量は1,940ETH超となった。調達資金を活用した暗号資産トレジャリー戦略が進められている。
153ETH追加、総取得額約9億円に
同社が今回取得したのは153.2401ETHで、取得価額は4,650万633円、平均取得単価は1ETHあたり30万3,450円である。取得日は2026年2月20日で、暗号資産投資事業の一環として実行された。
これにより総取得数量は1,940.6585ETH、総取得価額は8億9,812万919円へと拡大した。平均取得単価は46万2,792円であり、ステーキング収入分も含まれている点が特徴だ。
同社は第11回新株予約権による資金調達を計画的に進め、その資金を順次イーサリアム取得に充当している。
取得資産は国内大手取引所と連携した保管体制のもとで管理し、海外アドバイザーや最新の金融プロトコルを活用して運用の高度化を図る方針である。
また、暗号資産を収益獲得のための事業用資産として活用する「PER型金融モデル」を掲げ、中長期的な企業価値向上を目指す姿勢を明確にしている。
なお、現時点で当期業績への具体的影響は未定であるという。
ETH財務戦略の利点と不確実性
上場企業が暗号資産を財務資産として積極保有するTORICOの取り組みは、資本効率の向上という観点で一定の合理性がありそうだ。
低金利環境下で遊休資金をETHへ振り向け、ステーキング(※)利回りを通じて資本収益率(ROIC)の改善を図る試みと解釈すれば、一定の合理性を持つ戦略と言える。
一方で、価格変動リスクは大きいだろう。平均取得単価を下回る局面が続けば評価損の計上が想定され、株主資本に影響を与えるおそれもある。
さらに、新株予約権による資金調達は希薄化リスクを伴うため、市場の評価は分かれやすいだろう。
今後は、暗号資産市場の動向と同社の開示姿勢が企業価値を左右する局面に入ると考えられる。
価格上昇局面では含み益拡大と財務基盤強化が期待されるが、ボラティリティ管理と透明性の確保が伴わなければ持続性は担保されないはずだ。
上場企業による“稼ぐトレジャリー”モデルが国内で定着するかどうかは、実行力とリスク統制の両立にかかっていると言える。
※ステーキング:一定量の暗号資産をネットワークに預け入れ、取引検証に参加することで報酬を得る仕組み。保有資産を活用した利回り創出手法の一つ。
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