2026年2月20日、MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所は、15歳〜39歳の男女9,000人を対象とした「若年層アルバイトの給与受取と金銭常識に関する実態調査」の結果を公表した。
若年層の約4割がスポットワーク経験、即時払い重視83%
調査によると、「10代〜30代のアルバイト就業者2,738人」のうち、39.5%がスポットワークを利用した経験を持つという。
現在利用している層も21.6%、認知率は86.3%にのぼっている。
「予備調査から抽出したスポットワーク経験者500人」を対象に行われた満足度調査では、「面接や履歴書の準備がなく、アプリだけで応募が完結すること」(87.0%)、「働いてすぐ給与を受け取れること」(86.0%)、「自分のスタイルに合う職場を選びやすいこと」(86.0%)が並んでいる。
また、仕事選択時に「働いてすぐ給与が受け取れること」を重視する割合は83.0%に達した。
さらに、勤務先が「給与デジタル払い(※)」を導入した場合、79.4%が利用意向を示している。受取希望先は「PayPay」が55.8%で最多、次いで「楽天ペイ/楽天キャッシュ」が36.8%、「d払い」が30.6%と続いた。
一方で、「15歳~39歳の男女9,000人」を対象に行われた「給与デジタル払い」の現在利用率は8.3%にとどまっている。
ファネル構造で給与デジタル払いの「認知」~「現在利用」を見ると、制度の認知率は52.0%、利用経験は13.4%となっている。
※給与デジタル払い:企業が従業員の給与を銀行口座ではなく、資金移動業者の決済アプリ口座などへ直接送金する仕組み。国内では2023年に解禁された。
制度障壁は残るが、拡大余地も
「スポットワーク経験者500人」の多くが即時払いを重視し、「給与デジタル払い」の勤務先への導入利用意向を示したことから、即時給与が仕事選択の判断軸になっている可能性がある。
一方で、「15~39歳の男女9,000人」における「給与デジタル払い」の現在利用率や認知率から、制度が普及初期段階にあることが読み取れる。意向の強さと実利用率の間には乖離が存在しそうだ。
アルバイトの給与を銀行から「QR・バーコード決済アプリにチャージすると回答した667人」の61.2%が手間やコストに不満を示している点も、現行運用の摩擦を高める要因となるだろう。
この差は、企業側の導入率、法制度対応、資金移動業者の指定制限、既存銀行振込慣行といった実装上の制約によるものと考えられる。
したがって、給与の即時デジタル化が標準仕様になるかどうかは、企業導入が進み、制度的・運用的障壁が低減した場合に限られるだろう。
現時点で市場再設計を断定することはできないが、若年層の意向データは「潜在需要の存在」を示していると言える。
関連記事:
メルカリ、「ハロ」事業終了を発表 スキマバイト領域から撤退へ

コールセンターAI導入は3割止まり それでも現場の8割が「人×AI」を求める理由

生成AI利用の首位はChatGPT 生活者調査で見えたAI浸透の実態と課題

