高市総理がインドAIサミットで国際連携強化を表明 日本主導の「信頼できるAI」構想を拡張へ

2026年2月19日、インド・デリーで開催されたAIインパクト・サミットにおいて、高市早苗首相がビデオ・メッセージを発出した。日本が主導する「広島AIプロセス」の拡大と、信頼性を軸としたAI国際協力の強化方針が示された。
インドAIサミットで広島AIプロセス拡張を表明
本サミットは、ナレンドラ・モディ首相の議長の下で開催された第4回AI首脳級会合であり、グローバル・サウスで初の開催となった。
首脳・閣僚に加え、AI関連企業の代表らが出席し、「人間(People)」「地球(Planet)」「発展(Progress)」を柱に、AIの変革的なインパクトをいかにして人類全体の利益・包摂的成長・地球保護に結びつけるかについて議論された。
高市首相は、AIによるイノベーションを経済・社会発展の原動力とするには、「安全、安心で信頼できるAI」エコシステムの構築が不可欠であると強調した。
さらにその鍵は「信頼性」にあるとし、日本が提唱してきた「広島AIプロセス(※)」に賛同する「フレンズグループ」を、グローバル・サウスを含む各国へ拡大していく方針を示した。
さらに、同プロセスのパートナー企業群に新たにインド企業が加わったことを歓迎し、来月東京で開催予定の閣僚級会合で本サミットの成果を踏まえた議論を行う考えを明らかにした。
加えて、日本の価値である信頼性をAI分野で具体化するため、官民投資を加速させるとともに、AIサミットの早期日本開催を目指す意向も表明した。
※広島AIプロセス:2023年のG7広島サミットを契機に日本が主導したAIガバナンス枠組み。生成AIを含む先端AIの安全性や透明性、説明責任の確保に関する国際的議論を進めるプロセスを指す。
信頼重視戦略の利点と競争リスク
「信頼できるAI」を前面に打ち出す戦略は、日本企業にとって国際標準形成の主導権を握る好機となり得る。
透明性や説明責任を重視する枠組みが制度化されれば、日本企業は設計思想やガバナンス面で優位に立つ可能性がある。特に規制対応力が競争力となるBtoB領域では、信頼性は差別化要因になるだろう。
一方で、信頼性の担保にはコストと時間が伴うと考えられるため、厳格なガイドライン整備や監査体制の構築は、開発スピードを重視するプレイヤーとの競争において不利に働く恐れがある。米中を中心とする技術覇権競争が加速する中で、日本モデルが市場獲得競争に直結するかは不透明である。
今後の焦点は、理念をどこまで実装段階に落とし込めるかにありそうだ。
フレンズグループの拡大が実質的なルール形成へ発展すれば、日本はAIガバナンスの中核国として存在感を高める可能性がある。しかし、賛同国の拡大や投資の実効性が伴わなければ、構想は象徴的枠組みにとどまるだろう。
AIインパクト・サミット 高市総理発言案(ビデオメッセージ) 全文
関連記事:
日印が国産AIで連携強化 人材循環と企業進出を加速へ

テランガナ州(インド)、次世代ライフサイエンス政策2026-30でグローバルな野心掲げる












