クリエイターとIP権利元に透明性 3社が二次創作グッズの著作権管理モデルを実証

2026年2月19日、日本国内でgumi、スカパーJSAT、日立ソリューションズの3社が、二次創作グッズイベントを活用した著作権管理モデルの実証開始を発表した。
許諾から販売、ライセンス料分配までを一元化し、安心して創作できる環境整備を目指す。
二次創作グッズ市で管理モデル検証
実証は、2月20日から4月19日まで開催される「描いて創ろう!公式二次創作グッズ市」を通じて行われる。クリエイターの参加申し込みは3月16日まで受け付け中だ。
対象IPは「ファントム オブ キル」「ラグナドール」「Chicoa(チコー)」で、イベント期間中に限り二次創作を許諾するモデルを検証する。
本実証では、イベント運営者が権利元、クリエイター、グッズ製造・販売事業者を取りまとめ、許諾手続きから販売、売上に応じたライセンス料の支払いまでを一元的に管理する。
従来は個別に行われてきた調整や契約を集約し、定型化したプロセスとして運用する点が特徴だ。
gumiは主催者として権利元との調整やクリエイターへの許諾、プロモーションを担い、自社IPも提供する。スカパーJSATは「スカパー!投票」を活用した告知支援を行い、日立ソリューションズが全体設計と運営管理を担う。
IP提供には1st PLACEも参画し、製造・販売ではアニメイトやGMOペパボなどが協力する。
検証項目として、許諾手続きの定型化による負担軽減効果と、売上連動型のライセンス料分配スキームの成立可能性を確認する。
なお、本イベントで提示されるガイドラインは既存の二次創作ガイドラインを尊重したうえで追加ルールを設けたものであり、通常の創作活動を制限するものではないとしている。
創作経済圏拡大の可能性と課題
許諾から収益分配までを一本化する仕組みが定着すれば、クリエイターは法的リスクを過度に意識せず制作に専念しやすくなるだろう。
初期費用や在庫リスクを抑えられる点も、新規参入者の増加を促し、ファン主導型市場の拡大につながる可能性がある。
一方で、イベント限定の枠組みに依存する場合、継続的な展開が難しくなる懸念も残る。
許諾範囲の明確化は安心感を高める効果が期待されるものの、ガイドライン運用が複雑化すれば、かえって参加ハードルが上がる懸念も否定できない。
また、分配プロセスの透明性は制度への信頼を左右する要素となり得る。運営主体が複数にわたるため、役割分担と責任範囲の明確化が不可欠となるだろう。
それでも、Web3やデジタルプラットフォームとの接続が進めば、二次創作の収益化モデルはさらに高度化すると考えられる。
本実証は、日本の創作文化を持続的に成長させるための制度基盤整備として、業界全体の動向を左右し得る試みといえる。
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