2026年2月18日、日本のデータ分析企業であるブレインパッドが、生成AIとレコメンド技術を融合したサイト内検索ソリューション「Rtoaster GenAI」の正式提供開始を発表した。ECサイトにおける商品検索の方法を変える可能性がある。
生成AI検索「Rtoaster GenAI」始動
ブレインパッドが発表したRtoaster GenAIは、ECサイトなどの検索体験を高度化するための新しいサイト内検索ソリューションである。生成AIとレコメンド技術を組み合わせた「コンテキスト検索」により、ユーザーの入力した言葉の背景や意図をAIが解析し、適切な商品候補を提示する仕組みを採用した。
この技術では、大規模言語モデル(LLM)(※)が検索ワードの意味や文脈を理解し、AIがカテゴリや見出しを自動生成する。そのうえでユーザーの行動データや興味関心を踏まえたレコメンドを実行するため、感覚的で曖昧な表現でも商品にたどり着きやすくなるとされる。
また、検索結果に該当商品が存在しない場合でも、AIが関連性の高い商品を提示する「0件ヒット解消機能」を搭載した。これにより、検索失敗による離脱の抑制が期待されている。
先行導入企業として知られるピーチ・ジョンでは、このAI検索機能の導入後、オンライン上で店舗接客に近い体験が実現したとされ、コンバージョン率(CVR)が約2.4倍に向上したという。EC事業者にとって、売上向上に直結する実証結果として注目される動きだ。
※LLM:Large Language Modelの略。大量の文章データを学習し、人間の言語理解や文章生成を可能にするAIモデル。検索、チャットボット、文章生成など多くの分野で活用が進んでいる。
AI検索の普及でEC競争は再編か
生成AIを検索機能に組み込む動きは、EC業界における購買体験の質を大きく変える可能性がある。ユーザーが明確な商品名を知らなくても探せる環境が整えば、検索のハードルは下がり、購買機会の拡大につながると考えられる。
企業側にとってのメリットは、離脱率の低下と売上の向上である。特に商品数の多いECサイトでは、検索精度の改善がそのまま収益に直結するケースが多い。AIが接客の一部を担う形となれば、人手不足の課題にも一定の解決策となる可能性がある。
一方で、AIによる推薦結果がブラックボックス化すれば、表示ロジックの透明性や公平性が課題になる恐れもある。特定の商品やブランドが優先される構造になれば、ユーザー体験の信頼性に影響が及ぶ可能性も否定できない。
今後は、検索・レコメンド・生成AIを統合した「AI接客型EC」が業界標準になっていくとみられる。ECの競争力は価格や物流だけでなく、AIによる顧客理解と購買導線の設計力へ移行していく段階に入ったと言える。
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