メインコンテンツへスキップ
最新ニュース 3分で読める

KDDIなど4社、量子時代に備える商用網実証 57.6Tbpsの耐量子通信でAI基盤を強化

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

KDDIなど4社は商用ネットワーク上で耐量子セキュリティを用いた大容量伝送の実証成功を発表した。耐量子セキュリティ通信としては国内初となる57.6Tbpsの高速通信を達成し、AIデータセンター間接続など高セキュリティ用途への商用化を目指す国内の取り組みである。

商用網で耐量子×57.6Tbps実証

2026年2月18日、KDDI、KDDI総合研究所、ノキアソリューションズ&ネットワークス、東芝デジタルソリューションズの4社は、大阪堺データセンターと市内ネットワークセンター間の商用回線で実証を実施した。
量子鍵配送(QKD)(※1)と耐量子暗号(PQC)(※2)を組み合わせ、57.6Tbpsの大容量データを遅延増加なく伝送することに成功している。

本構成では、AESと高速暗号Rocca-Sを用い、物理層とアプリケーション層の複数レイヤで多層暗号化を実施した。
C帯・L帯を活用した光通信により長距離・大容量伝送を実現し、量子計算機時代を見据えた実運用レベルの性能を確認した形になる。

背景には、AI普及による通信量の急増と、分散配置が進むAIデータセンター間の高速接続ニーズがある。
さらに、将来の量子コンピューターによる既存暗号の危殆化リスクへの対応も通信インフラにおける重要課題となっており、耐量子セキュリティ通信量を両立したアプローチが必要となっている。

※1 QKD:量子の性質を利用し、盗聴を検知可能な形で暗号鍵を共有する技術。
※2 PQC:量子コンピューターでも解読困難とされる数学問題を基盤とした次世代暗号方式。

AI時代の基盤競争と実装課題

今回の成果は、AIインフラのボトルネックとなる「帯域」と「セキュリティ」を同時に強化する技術的な方向性を示すものだとみられる。
金融・医療など機密性の高い専用線や、AIデータセンター間のバックボーン用途での商用展開が期待され、用途に応じてセキュリティレベルを選択できるサービス化も検討されている。

一方で、QKDは専用装置や光環境への依存が大きく、導入コストや運用複雑性が普及の制約となる可能性がある。

量子計算機の実用化時期は不透明だが、「今収集して後で解読する」攻撃への備えは、徐々に進み始めているとも考えられる。
通信事業者にとって耐量子対応は差別化要素となり、AI・クラウド基盤の安全性を巡るインフラ競争は一段と高度化していく可能性がある。

KDDI プレスリリース

関連記事:

仮想通貨に迫る量子コンピュータ脅威 SECに耐量子暗号導入を提案

RELATED ARTICLE仮想通貨に迫る量子コンピュータ脅威 SECに耐量子暗号導入を提案2025年9月3日、米証券取引委員会(SEC)の仮想通貨タスクフォースに提出され…Read

東芝・NEC・NICT、既存インフラと量子ネットワークを共存可能に 世界初、IOWN網で量子鍵配送に成功

RELATED ARTICLE東芝・NEC・NICT、既存インフラと量子ネットワークを共存可能に 世界初、IOWN網で量子鍵配送に成功2025年7月28日、東芝、NEC、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)…Read
Share this article コピーしました
WRITTEN BY

PlusWeb3 編集部

Web3・AI専門メディア

PlusWeb3 編集部は、ブロックチェーン・Web3・AIの最新動向をわかりやすくお届けする専門メディアチームです。業界経験豊富な編集者とリサーチャーが、信頼性の高い情報を厳選してお届けします。

記事を寄稿しませんか?

Web3・AI領域の専門家からの寄稿を募集中。掲載は編集部名義、内容は事前審査のうえ掲載可否をご連絡します。

この記事が役に立ったら、ニュースレターも登録しませんか?

Web3・AI業界の厳選ニュースを定期配信。いつでも解除可能。

スパムは送りません。プライバシーポリシーに基づいて管理します。

コピーしました

Web3・AI・DeepTech領域でのキャリアをお考えですか?

業界専門のコンサルタントが、あなたに最適なキャリアパスをご提案します。