2026年2月17日、日本の楽天ドローン株式会社が、AI画像解析を活用した外壁調査サービス「AI外壁調査」を提供開始したと発表した。ドローン撮影とAIを組み合わせ、ひび割れ検出の効率化と低コスト化を図る取り組みである。
AIでひび割れ自動検出、平米150円から
本サービスは、ドローンで撮影した可視光画像と赤外線画像を活用し、建物外壁の劣化状況を解析する独自システムを用いる点が特徴である。
従来は専門スタッフが膨大な画像を目視確認していたが、AIによってひび割れの疑いがある箇所を自動検出する仕組みを導入した。
可視光画像の解析をAIが担い、その後に専門スタッフが確認する二段階体制を採用することで、精度と信頼性を両立させている。
赤外線画像からは、温度差をもとに内部浮きや含水といった内部劣化の可能性を分析し、結果をプロット図および報告書として体系化する。必要に応じて建築士の監修を付けることも可能だ。
開発段階では、那覇市の大型商業施設「パレットくもじ」において検証を実施した。2,420枚の可視光画像を対象に比較した結果、システム未使用時に比べ解析作業時間を約48%削減できたという。
料金は平米単価150円(税抜)から設定され、条件により変動する。
同社は2017年以降、建築基準法第12条に基づく定期報告などに対応する外壁調査を800棟以上手がけてきた。今後は自社撮影分だけでなく、他社が撮影した画像の解析から報告書作成までを請け負う展開も予定している。
建物管理DXの加速と課題
本サービスの導入は、建物管理のDXを一段と押し進める契機となり得る。点検業務で自動検出が普及すれば、管理会社やオーナーの負担軽減が見込まれる。
足場設置が不要なドローン活用と組み合わせることで、安全性向上にも寄与するだろう。
加えて、コストが抑えられれば、これまで十分な頻度で調査できなかった中小規模物件にも点検機会が広がる可能性がある。結果として修繕の早期対応が進み、資産価値の維持に好影響を与えることも期待できる。
一方で、AI判定の透明性や責任所在の整理は重要な論点になるだろう。最終的な判断には人の確認が不可欠であり、完全な自動化には時間を要すると考えられる。
また、価格競争が激化すれば、単純な単価比較に陥るリスクも指摘できる。
それでも、点検業務のデジタル化とAI活用が進展する流れは今後も続くとみられる。
解析精度の向上とデータ蓄積が進めば、外壁劣化の予測や修繕計画の高度化へと発展していくだろう。
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