2026年2月14日、中国IT大手のバイトダンスがAIチャットボット「豆包(Duobao)」の新版「豆包(Duobao)2.0」を中国で公開したと発表した。現実の業務を担う「エージェント時代」を見据えたAIとして位置付ける海外発の動きだ。
豆包(Duobao)2.0、現実タスク実行へ拡張
バイトダンスは、質問応答型から実務処理型への進化を掲げ、複数段階の推論とタスク実行を組み合わせた機能を強化した。現実世界の業務フローを処理する「エージェント(※)」としての活用を想定している点が特徴である。
春節の時期に合わせて公開することで利用拡大を狙い、動画生成AI「Seedance 2.0」の発表も先行して行った。AIを娯楽や検索の領域から、生産性向上の基盤へ押し広げる戦略とみられる。
同社はプロ版について、複雑な推論と多段処理を備えつつ、OpenAIやGoogleの高性能モデルと同等の性能を志向しながら、使用コストを一桁低く抑えられると説明した。トークン消費が増えるエージェント用途では価格優位が導入判断を左右すると強調している。
※エージェント:人の指示に基づき、情報収集・判断・作業を複数段階で自律的に実行するAI。単なる対話を超え、現実の業務プロセスを代替する用途が想定される。
低コスト化の恩恵とリスク、展望
低コストで高性能なエージェント型AIが普及すれば、企業の業務自動化は一段と進む可能性がある。問い合わせ対応や資料作成、調査などをAIが担うことで、人材を戦略業務へ再配置する動きが加速するとみられる。導入障壁が下がれば中小企業にも恩恵が広がると考えられる。
一方で、複雑な業務をAIに委ねるほど誤判断の影響は大きくなる。責任の所在や監査体制、データ管理の統制が不十分なまま普及が進めば、企業リスクはむしろ増す恐れがある。価格競争が品質や安全性の議論を後回しにする可能性も否定できない。
今後は性能だけでなく、信頼性や運用ルールを含めた「実務基盤」としての整備が競争軸の一つになっていくとみられる。エージェントAIが本格導入段階に入れば、ソフトウエア産業だけでなく、コンサルティングや業務アウトソーシングの構造にも影響が及ぶ可能性がある。
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