2026年2月14日、米ニュースサイトのアクシオスは、米国防総省がAI企業アンソロピックとの契約打ち切りを検討していると報じた。軍事利用の安全策を巡る対立が背景にあり、海外のAI政策動向として注目される。
軍利用条件巡りAI企業と対立
報道によれば、国防総省はAI企業に対し、兵器開発や情報収集、戦場作戦を含む合法的な用途でのツール利用を認めるよう求めている。アンソロピックはモデルの利用制限を維持する方針を崩していない。
対象企業にはOpenAI、Google、xAIが含まれるとされ、各社のスタンスの違いが表面化している。交渉は数カ月続き、軍側のいら立ちが高まっているとの指摘もある。
アンソロピックは完全自律兵器(※)や大規模監視への利用に厳格な制限を設けており、現行作戦とは無関係と説明した。
※完全自律兵器:人間の直接操作なしに目標選定や攻撃判断を行う兵器体系。倫理・国際法の観点から世界的に規制議論が進んでいる。
軍事AIの恩恵とリスク、今後
軍事分野でAI活用が進めば、情報分析や作戦計画の高度化が進み、意思決定の速度と精度が向上する可能性がある。防衛予算を背景にした需要は技術開発を後押しし、民生分野への波及効果も見込まれる。
一方で、軍事利用への関与は企業の倫理方針やブランド価値と衝突する可能性があり、規制や社会的批判につながるリスクも指摘される。安全制限の緩和が進めば、誤用や暴走に対する責任の所在が曖昧になりかねない。
今後は、用途別にモデルの提供範囲を分ける動きや、政府が独自AIの開発を強化する方向に向かう可能性がある。企業と国家の主導権争いは長期化し、軍事AIのルール形成そのものが競争領域になると考えられる。
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