米Googleは生成AI「Gemini 3」の推論機能「Deep Think」を大幅改良したと発表した。
数学・物理などの難問対応を強化し、手書きスケッチから3Dプリント用データを生成する機能を追加した。
Deep Thinkをメジャー更新 推論と3D生成を追加
2026年2月12日、Googleは、論理的思考に特化した「Gemini 3 Deep Think」のメジャーアップデートを発表した。
科学研究やエンジニアリング分野での実用性を重視し、数学、化学、物理学といった専門領域で回答の精度と推論能力を高めたとしている。
新機能として、手書きのスケッチ画像を解析し、3Dプリンターで出力可能な3Dモデルデータへ変換する機能を公開した。
Deep Thinkが図面を分析して形状をモデル化し、製造に必要なファイルを自律的に生成する仕組みで、Googleのデバイス部門では物理コンポーネント設計の加速に向けたテストが行われている。
性能評価では、推論ベンチマーク「ARC-AGI-2」で84.6%、「Humanity’s Last Exam(※)」で48.4%を記録した。
Google DeepMindは、この技術を基盤とする数学研究エージェント「Aletheia(アレテイア)」を開発し、国際数学オリンピックレベルの問題解決に加え、学術研究の未解決問題の証明や論文生成に自律的に成功したことも明らかにした。
提供は、個人向け有料サブスクリプション「Google AI Ultra」の契約者にGeminiアプリ内で即日開始し、企業や研究者向けにはGemini APIを通じた早期アクセスプログラムも用意した。
※Humanity’s Last Exam:高難度の推論能力を測る評価指標。
研究開発の加速要因に 利点とリスクを整理
Deep Thinkの強化は、理数系の難問処理と設計データ生成を同一の推論基盤で扱える点がメリットだと言える。
検討、計算、設計の往復が多い研究開発では、スケッチから3Dモデルまでを一気通貫で進められることで、試作や検証の回数配分を組み替えやすくなる可能性がある。
一方で、推論結果と生成物を業務成果として採用するには、検証プロセスの設計が不可欠だと考えられる。
数値や証明の誤り、図面解釈の取り違えが混入した場合、後工程での手戻りが増えるため、レビュー基準や再計算、再生成の手順をあらかじめ組み込む必要があると言える。
導入面では、個人向けの有料プランとAPI提供が併走するため、研究者の個別利用から企業の開発フロー統合まで段階的に広がり得る。
用途が高度化するほど、成果物の責任分界と運用ルールを定めた上での活用が求められるだろう。
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