2026年2月9日、国内エイジテック企業の株式会社チカクが、問い合わせ対応の効率化を目的にソラコムの生成AIボット「Wisora」を導入したと発表した。購入前後の疑問を即時に解消し、安心して使える体験の強化を図る取り組みである。
生成AI導入で顧客対応を高度化
チカクは、高齢者向けサービスの拡大を見据え、問い合わせ対応の仕組みを見直した。ソラコムが提供する生成AIボット「Wisora」を導入し、購入前の不安や利用中の疑問に迅速に応答できる体制を整えた。
Wisoraは、WebサイトURLやPDF、Wordファイルを読み込ませるだけで自動学習し、短期間でチャットボットを構築できる点が特長とされる。LINE公式アカウントへの組み込みにも対応し、専門知識がなくてもサポート担当者自身が運用できる設計になっている。
通信基盤だけでなく、販売後の問い合わせやサポート業務まで含めてソラコムのサービスで一体的にカバーできる点も評価された。AIをチームの一員として活用することで、人的リソースに依存しない対応体制の構築を進める狙いがある。
同社は、スマートフォンの写真や動画をテレビに送る「まごチャンネル」や、ビデオ通話と見守り機能を備えたサービスを展開している。高齢者と家族双方が安心して利用できる環境づくりの一環として、問い合わせ体験の強化を位置づけている。
※生成AIボット:大規模言語モデルを活用し、質問内容に応じて自然文で回答する対話システム。企業の資料やFAQを学習させることで、独自のサポート対応を再現できる。
顧客接点AI化の利点と課題、今後
問い合わせ対応のAI化は、顧客体験の底上げにつながる可能性がある。24時間対応が可能になれば、購入前の心理的障壁が下がり、検討から購入までの意思決定を後押しする効果も期待される。特に高齢者向けサービスでは、「いつでも聞ける」環境が安心感の形成に寄与する場面も多いと考えられる。
一方で、回答精度の維持や誤案内のリスクは避けられない課題である。会話ログの分析や継続的な学習更新が重要となり、AI運用体制の成熟度がサービス品質に影響を与える可能性がある。
今後は、IoT製品と生成AIの連携が顧客接点の新たな形として広がっていくことも想定される。単なる問い合わせ窓口にとどまらず、購入前の情報提供から利用支援までを一体化した「常駐型サポート」として機能するかどうかが、企業の競争力を左右する要素の一つになる可能性がある。
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